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連載小説
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第九話
* * * * *


「ごちそうさまでありんした♪」

妖狐は満足げな笑みを浮かべ、まだ膨らんでいる腹に目を向けた

「妾に聞かなければ合格出来たはずでありんしたのに、馬鹿な人間でありんしたね」

妖狐にとっては僥倖、しかし本田にとっては不幸以外の何物でもない

そんな本田の不幸を妖狐は嘲笑し、視線を膨らんだ腹から机へと変える

机の上には、あの赤い紙と十円玉が置かれていた

それを見つめる妖狐の顔には残念そうな表情が浮かべてあった

「まだ足りないみたいでありんすね…もっと人間を喰らわねば」

そう口にし、窓の外を見つめる

陽は沈み、辺り一面暗くなり始めていた

その光景を見せる窓を妖力を駆使して開ける

涼しい夜風がカーテンを揺らし、妖狐の体毛を靡かせた

妖狐は風の愛撫でを目を閉じて気持ち良さそうに浴びると、ニヤリと笑いだす

「次はどんな人間か楽しみじゃ…♪」

そう言うと妖狐は赤い紙に吸い込まれるように姿を消した

そして赤い紙は窓から飛び出し、風に運ばれながら次の獲物を探しに行った

音が消えた暗い部屋の中

そこには唾液に包まれた制服だったものと、机の上には十円玉一枚が置かれていた

12/03/11 16:15更新 / どんぐり
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■作者メッセージ
いかがでしたか?

ちょっと捕食描写が薄くなった気がしますが、読んでいただきありがとうございました♪

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