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ケンケンパァ!だよ、人生は。 − 旧・小説投稿所A
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ケンケンパァ!だよ、人生は。

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※  ※  ※


ここはどこだろう……。
俺は……。

……自分の名前はバクフーン。
それはすぐに思い出せた。

そして……、そうだ、
洞窟の中、ベトベトンに飲み込まれそうになりながら俺は……。

目を開けて初めに見えたのは、
赤とピンクのグラデーションが艶やかな小さい花。
周りには草原が広がり、少し向こうの丘に小道が見える。
川のせせらぐ音が近くで聞こえてきた。

……そうか、ここは……天国か。
俺は……死んだのか。

いや、それにしては 体中がズキズキと痛む。
死んでも痛みは残るものなのだろうか。


「――……なんだったんだぁ、今の音は!?」

「――あの洞窟の方から聞こえたぞ!?」

「――おぉい! 早く来てくれ! 誰か倒れてるぞ!」


どこからか 数人のくぐもった声が風に乗って流れてきた。
はっきりとは聞き取れず、遠くで囁いているようにも聞こえる。


「――旅人みたいだな。」

「――まさか……、あの洞窟から出てきたのか!?」

「――今はそんなこと どうでもいい!
 早くどこか手当てできるところに運ぶんだ!」


その声は だんだんと近くなり、
やがて 自分の体がフワリと浮いた。
しばらくして、たくさんの手で抱えられたのだと感じ取れた。

お迎えの天使か……?


いや……、


※ ※ ※

※ ※ ※


「そう、俺は運良く爆風に乗って、
 洞窟の外、隣町まで 吹き飛ばされていたんだ。

 あ、店員さん! イチゴパフェ追加ね。

 そして俺はその街で一命を取り留め、
 数ヶ月もすると 元気を取り戻した。
 見てのとおり、右膝から下は無くなっちまったがな。

 だが残念なことに結局、ルカリオの消息はわからないままだった。
 生きているとは思えないが、
 命を引きかえてくれた恩人ってことに変わりはない。
 次に会うときは真っ先に礼を言うつもりさ。それが天国だとしても。

 その後も俺は、このとおり旅を続けている。
 そう、まだ“ケンケン”を続けているんだ。両方の意味でな。
 いつか俺もあいつのように“パァ”っと華を咲かせる。

 俺はあいつに教わったんだよ。
 その華が、どんなにちっぽけだって、貧相だっていい、
 だれかの為に咲いた華こそ 最高に美しいということを。

 人生ってのは、“ケンケンパァ”だ。





 ちょっとぉ! イチゴパフェまだぁ!?」







終わ


わお、観覧数1,000超えてんぢゃないの!
みんな!こんなの読んでくれてありがとう!

<2012/09/23 22:23 ギン鶴>
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