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3つ目の至宝 − 旧・小説投稿所A

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3つ目の至宝

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目線戻りますorz
〜〜〜〜〜〜〜〜〜




んがぁ・・ニチャ・・

一度閉じた巨大な口に手を入れ、氷竜はそれを取り出す。そ
れに乗じてグレイも脱出を図ったが、氷竜はすかさず舌で引き
戻した。

「・・逃げようなど考えないことだ・・」

「んむぅ・・!! ご、ごめ・・!!」

罰としての愛撫を余儀なくされ、グレイはまたしても竜の
唾液を味わう羽目となった。氷竜はレロレロと舌を動かしな
がら、ねっとりしたそれを見つめる。

「ほう・・ガイアメモリ。お前のだよな?」

黄緑色に輝くUSB・・ガイアメモリだ。唾液に濡れてはいるが、そんな事で使えなくなるような代物ではない。
 氷竜は手早く持ち替え、スイッチを押した。

ぬちゅ・・『ENERGY(エナジー)!!』

メモリから発せられた音を聞いた瞬間、氷竜の頭脳に光が射
す。出せ返せと唸っているグレイを無視して、牙竜の元へと駆
けていった。







「くそ・・どうにも・・」

「おい牙!牙!!」

「略すなと言ったは・・それは何だ?」

レムリアの復活がどうにも上手くいかないのか、牙竜の顔に
は曇り空が広がっていた。どうやら白砂に槍を逆さまに突き立てたり、幻竜の卵に祈るだけではだめらしい。
 氷竜の手にあるメモリを見て、彼は首を傾げる。



「メモリ・・?我に使えと・・?」

「レムリアに決まってるだろ。使えるかもしれない」

「・・だといいがな」

牙竜は投げられたメモリを受け取り、困惑した表情を浮かべる。

「・・このネトネトと噛み跡は何だ?」

「あー・・気にするな。と、とにかくやれ」

牙竜は『そういうことか』と薄ら笑いを浮かべ、元レムリ
アだった砂の上へとメモリを置く。氷竜も3つの秘宝全てを取
り上げ、捧げる様に供えた。

「よし・・」

牙竜は不安そうに数歩下がり、竜族のみ扱える呪文を述べ
ようとした。しかしその瞬間、氷竜がすかさずその口を塞ぐ。


「ま、待て・・」

「ば、馬鹿何をする!言い間違えたら大変なのはお前も知っているだろう!!」

恐怖と怒りの怒号に逆らって、氷竜は更に大きく声を張り上げる。

「落ち着け!!その呪文って確か相当の力が必要になるんじゃないのか!?」

「あ、当たり前だ!!ロンギヌスの槍、幻竜の卵、不滅の石・・それにメモリ2本の力を借りるのだぞ!?失敗など・・」

「保証はあるか?」


・・・



意外にも唐突、かつ的を射る質問に、牙竜は言葉を失ってしまう。そしてしばらく考えた後、首を横に振った。

「・・だろう?多いに越したことはない、これも使え。」

カチッ・・『NASCA(ナスカ)』

氷竜がどこからともなく取り出した物。それは彼が古代よ
り持ち合わせ大事にしていた、彼専用のメモリだった。



「フッ・・要するに我のも出せと言いたいのだろう?」

カチリ・・『FANG(鋭牙)!!』

言葉もなしに諭され、牙竜も自分用のメモリを砂に供える。
 お互い、出し惜しみは無しのようだ。



「もう良いな?」

「ああ・・頼む。」

氷竜は数歩下がり、祈る様に砂と宝物を見つめる。牙竜は
腕を前に突き出し、力無しには役立たないという、『復活の呪い』を唱え始めた。




「我、無より白き魂の召還を求めん。汝、残されし肉体の欠片に降り・・完全なる姿で現れよ。」




氷竜に聞こえたのは、この程度だった。呪文は三分程詠唱さ
れ続け、牙竜の口が閉じた時・・氷竜は『ごくり』と唾を呑んだ。


次の瞬間、槍やメモリが一斉に溶けるように消え始め、
砂となったレムリアに吸い込まれた。そして眩い光が司令
室を包んだかと思うと、二人の目の前には肉体を取り戻したレ
ムリアが、眠そうな表情で立ち尽くしていた。



「う〜ん・・もうすぐ眠れるところ・・だっt・・」

「あっ・・」

殺された時のように、がくんと倒れ込むレムリア。しかし彼女
の体には、一瞬で氷のような冷たさが触れていた。


「え…氷・・竜?」

「・・・大丈夫・・だろうな。」

前と同じく抱きかかえられたレムリアだが、今度は少し頬を染
めた。当然・・何であろうと女なのだから。

「あっ・・ありがとう・・」

「あ、いや……悪かった。」

「何が?」

「・・・・・何でもない。」

牙竜は言い争いが絶えなかった二人の会話に、ニヤニヤと笑み
をこぼしていた。空気を読み、無音で司令室を出て行く。



「あ・・何か食べたの?」

「・・は?」

このまま困った事になるのを恐れ、レムリアは急に話を逸らし
た。ぽこりと膨らんだ彼のお腹を指さす。

「あ・・しまった・・」

氷竜は慌てて口内を舌で探るが、弄んでいたはずのグレイの感触は無く、お腹はモゴモゴ揺れ動いていた。

「さっき呑んじまったか・・」

「あら、私に槍投げた人なの? これ。」

レムリアはぷにょっと膨らみを押しつぶし、クスクスと楽そうに微笑む。

「ああ・・どうする?」

「そうねぇ・・♪ じゃあ・・」

レムリアの口が彼の耳元へと移動し、ボソッと何かを囁いた。


<2011/05/15 15:55 ロンギヌス>消しゴム
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