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カードに溺れろ 〜Dead or Money〜 − 旧・小説投稿所A

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カードに溺れろ 〜Dead or Money〜

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「さ…寒い….」


クラブの部屋に足を踏み入れた瞬間、ゲームルームの暖房
とはお別れだった。死への恐怖のせいか、背筋がやけに冷える。



「…お待ちしておりました….


艶やかな女性の声だ。まるで高級旅館の女将のような、優しい
ぬくもりに満ちた声。部屋内の寒さもあってか、余計に暖かく
感じた。この部屋にやってきた自分を、心から歓迎している。


「だ、だれだ….姿ぐらい見せたらどうだ!!?」

「はい…かしこまりました」


出どころが分からなかった声の音源が、一瞬にして自分の耳元
へと移動した。エンペルトはわっと言って床に尻餅をつく。
自分の隣にいたのは、金色の三日月を全身に纏ったポケモン・・・
・・クレセリアだった。


「この度は私の部屋をご所望頂き、誠に光栄の至りです。
今夜はお互いに…楽しみましょう?」


天女を思わせる妖艶な声色で、ゆったりと語りかけてくる。
エンペルトは僅か一分足らずで、その声に酔いそうだった。
自分の頬をツメで引っ掻き、何とか正気を保とうとする。


「まあ…そんなご自分に暴力を振るわないで。せっかくの美し
い顔に…傷が付いてしまいます」

「…えっ….」


クレセリアは彼の頬に口をそっと近づけ、生々しい引っかき傷
をペロリと舐めた。頬に薄っすらと残る彼女の唾液に、エンペ
ルトは心臓が止まりかねなかった。


「…な、何をする…」

「あら…女性と触れ合うのは初めてなんですね….ふふ…隠してもムダですよ。これから、最初で最後の体験をさし上げますから…」


クレセリアが両手を合わせて祈ると、途端に筋肉が硬直して
しまった。まるで全身が石になったみたいだ。恐らくエスパ
ータイプ特有の、強力なサイコキネシスだろう。


「うっ…ぁ…」

「ふふ…それではちょっと失礼しますね」


そして彼女は、大胆にも正面から自分に抱きついてきた。湯た
んぽ顔負けの異性の体温が、むんむんとカラダの接点を通して
伝わってくる。言葉に変えがたい心地良さに、いつの間にか自
分の目蓋は閉じていた。







・・・・・・zzz・・・





「……ん…ここは…」


目を開けて視界に飛び込んできたのは、カビやら染みの付いた天井。そしてムクッと起き上がると、そこには巨大なクレセリアが・・・・




・・・・え、巨大?


「お目覚めですね、おはようございます」


そう言って深く頭を下げるクレセリア。しかし彼女の大きさは、
今や自分の何十倍もあった。あえて比較をするならば….シンジ君
とエヴァ○ゲリオンのように。


「ど、どういう事だよ….これは…お前、巨大化できるのか?」

「逆です。貴方を縮小させることならできます」


よく見渡せば彼女だけじゃない。 部屋の床自体が、まるで運動
場のように広々としている。つまり自分の体格が、異常なまで
に縮んだという事だ。



「ま、まさか….」

「そう…そのまさかです。元の大きさのままでは、貴方を咥え
ることすら出来ませんから。でも今なら…」


クレセリアのすらっと細い腕が、自分を捕獲しようと迫ってく
る。即座にアクアジェットで逃げようとしたが、この大きさで
は水鉄砲より威力は乏しい。結果として彼女の手に包み込まれ、
恐ろしいほど巨大な顔の前まで持ってこられた。満月のように
美しい表情は・・・今や魅力よりも迫力の方が大きい。


「ふふ…今日はご来場、ありがとうございました」

「うっ…ああっ!!!」


放り投げるなどといった野蛮な行為はせず、クレセリアは手を
直接口に持っていった。肉布団のような広い舌の上に自分を寝
っ転がし、彼女はバクンと口を閉じる。


「…美味しい….」

「だ、黙っ….あわっ、ひぃ…!!」


彼女の声を大ホールで聞いているようだ。頬の肉壁や口蓋に反響
して、サラウンドで耳に入ってくる。


「ちょっとだけですが….お楽しみ下さいね」

「えっ…あ、ああああっ!! ぁぅん…」


クレセリアの口内に、舌の津波警報が発令された。ぷにぷにと
柔らかい舌が大波を作り出す様子は、葛飾北斎も大喜びしそう
だ。唾液もプールに匹敵するほどに溜められ、自分の体はそこ
に上から押し付けられる。まるで、キャンディかキャラメル
を溶かす作業だった。


「あまり虐めるのは趣味ではないので…そろそろ呑み込んで宜しいでしょうか」

「ら、らめっ…ヤメロ…!!」







ゴクリ・・・



喉の小さな穴がギュムッと縮み、さらに小さな獲物を食道へと
送り流す。やっと舌責めから開放されたとはいえ、その安心も
束の間だった。


ズッチュ…くちゅぉ…むりゅ…


「ひ…あう…あうっ…」


一定のタイミングで、迫り揉んでくる豊満な肉壁。胃袋へ続く
ルートを司るこの空間は、エンペルトに一瞬の安心さえも与え
なかった。彼の耳を通っていく音といえば、自分が漏らす微か
な命乞いと、肉壁同士がこすれ合う「ぬちゅッ」という不快音
だけだった。


ーーーーーそして・・・・






「ごちそうさまでした」


這い上がろうにも這い上がれない、壮大な肉の袋。クレセリア
は口を上弦の三日月のように歪め、そっと冥土での幸福を祈っ
た。そして三分間に及ぶ祈りを終わらせた後、彼女は自分の腹
に向けて冷たく言い放った。




「…いつまで暴れる気なの? いい加減諦めなさい」





更新遅れてゴメンなさぁぁぁぁい(スライディング土下座
内容も手抜きかな…トホホ…(自業自得ですね
<2011/08/30 13:07 ロンギヌス>
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