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新たな土地、新たなる出逢い − 旧・小説投稿所A
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新たな土地、新たなる出逢い
− 王者の狩り −
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ガァ・・・ガァコ・・・

 間違いない。こちらに来るときに乗った鳥車を引いていたのと同じガーグァの鳴き声だ。それも複数・・・結構な数だ。小規模な群れなのかもしれない。雨をしのげる場所を探しているのか、段々近づいてくる。横でジンオウガが伏せるのが見えた。飛び出す準備だろうか・・・

「人間。早く乗れ」

「え?」

 そのまま地を蹴って飛び出していくとばかり思っていたので、急に乗れと言われて戸惑ってしまった。

「フン、この洞窟の礼に我の狩りを見せてやろうと言う訳だ。人の足では我に追いつくなど不可能だろう?早く乗れ、置いて行くぞ」

 そうまで言われては付き合わない訳にはいかない。急かされるままに背中によじ登る。
しっかりと掴まったのを確認するやいなや、ジンオウガが洞窟の岩を蹴って飛び出した!素晴らしい速さで森の中を駆けていく。時に木々を押し倒し、逃げ遅れた狗竜を吹き飛ばしながら駆ける姿はまさに渓流に走る稲妻の様だった。
 前方にガーグァの群れが見えた。一、二、三・・・・八匹は居るだろう。流石にこちらに気づき、逃げ出そうとしている。だが、時既に遅し。急停止しつつかまされた体当たりに二匹がまとめてひき潰され、返す豪腕の一撃に群れのリーダーと思しき丸々と太った一匹が打ち倒された。残りの五匹はバラバラに逃げていた。ジンオウガも深追いは避けるようだ。
 これが王者の狩り・・・
肉食獣と草食獣、その身体能力の差は在れども、圧倒的なまでの狩りの光景に思わず見とれてしまっていた。

「どうした?人間。言葉も出ぬか」

 呆然としていると、ジンオウガが獲物を咥えながら語りかけてきた。

「あ、ああ。大丈夫・・・思わず見とれちゃって・・・」

 すると、クククと笑いながら降りるように促された。

「これが我の『狩り』だ。」

早速、獲物に牙を突きたてながら言う。口元の鱗と牙が赤く染まり、今までとは違う獰猛さを引き立てる。だが、その姿は美しかった。リーナが雄大な自然の美しさなら、彼は自然の持つ猛々しさを体言したような美しさだった。

「む・・?」

突然、ジンオウガが食事を中断し空を仰ぐ。
羽音が聞こえた。虫が飛び回る甲高い音ではない。もっと重いものが空気を叩きつける音だ。

グオアァァーーー!

 夜空に咆哮が響き渡る。あの声は・・・


如何でしょうか?ジンオウガを初めて見たときに感じたことを書いてみました。
感想のほど、よろしくお願いします。

リーナ「我の出番はまだかの?」

ジンオウガ「全く、食事の邪魔をしおってからに・・・お主には代わりに食事になって貰おうか?」
<2011/09/25 00:18 リオレイア>
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