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【保】特生3課〜東京危機〜 − 旧・小説投稿所A
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【保】特生3課〜東京危機〜

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『しかしどう考えても、警察が戦闘ヘリなんぞ相手に出来るわけがない』

そうだそうだ。
無理に決まってる。

『というわけで、ウチにお鉢が回ってきた』

……はい?
ま、まさか、いや、そんなはずは――

『コタロウ巡査、君ぐらいしか戦闘ヘリと渡り合えそうな奴はいないんだ』

マジで勘弁してください。
そりゃ確かにオイラは凶悪犯罪に対処すべく産み出された。
そのことはちゃんと自覚している。
でもだよ、戦闘ヘリは想定外だよ。
さすがに腰が引けるよ。

『今回は厳重な装備で出動させる。格納庫に【緊急時以外触れるな】と但し書きしてるコンテナが2つあるだろ。それを全部開けて中身を取り出せ』

オイラは言われたとおりにコンテナの上部を引き裂いて中身を取り出す。
最初のコンテナにはオイラサイズのリボルバーと銃を入れるホルスター、次のコンテナにはオイラサイズのヘッドホン(マイクが付いてるやつ)が入っていた。

『120ミリ回転式弾倉拳銃型ロケット砲、ホルスター、マイク付きヘッドホンがあっただろ。それを装備しろ。あっ、そのヘッドホンは骨伝導だから耳に装着する必要はない。と言うか無理だろうからな』

「了解しました」

オイラは一旦格納庫から出て、一式を装備し始めた。


『こちら特生3課。配置完了しました』

ヘッドホンから佐藤警部補の声が聞こえる。
オイラたちは今、羽田空港で待機している。

『特生3課に告ぐ。テロリストたちはどうやら二手に別れたみたいだ。ベイブリッジ上空と海ほたる上空でそれぞれ2機ずつ確認された』

『了解しました。となると、ベイブリッジ上空を通過した連中とどうやら鉢合わせになりそうですね』

『……たった今情報が入ってきた。良い報せと悪い報せの二つだ。まずは良い報せ。政府はようやく有事関連法の適用を宣言、国家緊急権により自衛隊の出動が決定された』

『そうですか。だったら自分たちは――』

『次に悪い報せ。アメリカ側から“最低でも1機は生け捕りにしてくれ。新型なんだから全部壊されちゃ困る。テロリストの方は別にかまわないから”と圧力をかけられたそうだ。それで自衛隊が“生け捕りは警察の得意分野だろ”と押しつけられてしまった。というわけで頑張ってくれ』

プツン、と音がした。
一方的に向こう側が通信を切ったみたいだ。

「佐藤警部補……」

ずっと黙って話を聞いていた僕は警部補に問い掛けた。

『ヘリ相手に日本警察の逮捕術が通用するのかなぁ』

警部補は深いため息と共にぼやいた。

『こちら管制塔より緊急連絡!全機離陸を中止せよ。アプローチ中の全便も違う空港に行ってくれ。日本政府は先ほど、東京への武力攻撃の可能性が高まったとして自衛隊の出動を命令した。よって安全が保障出来ない』

あれれ、これ航空無線だよな。

『佐藤警部補、混線してます』

『分かってる。ちょっと待ってくれ』



<2011/12/05 22:53 とんこつ>消しゴム
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