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白夜の妖狐 − 旧・小説投稿所A

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白夜の妖狐

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九尾によって無理矢理嚥下を遅らされ、

長期間喉肉の餌食となったシフが噴門を開いて胃袋に到達する。

どちゃっ、と粘液を飛沫させて胃袋の底に背中から落ち込んだ。

「んぅ……ここは? 胃袋?」

粘液で不安な足下に気を払い、シフは体を起こす。

「そっか……呑み込まれて……九尾さんに食べられたんだ」

口内程ではないが生臭さが漂い、どこか獣臭い。

光の無い暗黒の世界で何かを探そうと一歩を踏み出して……

どちゃっ、と再び転ぶはずだった。

「わっ!?」

ところが胃底はシフを受け止め、恐らく下方向ー

に柔らかく沈んだ。

胃底は伸縮性に富んでおりそのまま、さらに沈む。

やがて体を包み込む様に胃底は変形してしまう。

そこは九尾の体内。

粘液や胃袋は生物故のグロテスクな面を持ち合わせているが、

九尾も生物。

確かな温もりを帯びて、シフを眠りに誘おうとしていた。




<2011/12/23 21:27 セイル>消しゴム
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