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雪の足音。 − 旧・小説投稿所A

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雪の足音。

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朝になり、日ざしがロコンの顔に当たる……。

「んぅ……あれ?グラエナさんは……?」

ロコンは目を擦りながら起き上がるとグラエナの姿はない。

「がさがさ!!」

「……!?」

いきなり近くの草が激しく揺れている。かなり大きな者のようだ!
ロコンは万が一のことを考え、臨戦態勢を整えると喉に炎を溜める。

「起きたのか……」

「グラエナさん……か」

草むらから現れたのはグラエナ。ロコンを見つけるとお腹をまさぐり満足そうに口回りを舐める。

「なかなか起きないから散歩がてらに歩いていたら、少し旨そうな獲物……というか、木の実を見つけたから食べたんだ」

「そうなんですか……でも丸呑みにしたんですか?口の周りからは木の実の匂いはしませんが」

グラエナの言い分に不思議そうにロコンは首を傾げる。

「まぁな、そんなことよりもう行くぞ。今日の昼には着くだろうからな」

「うわぁ……!」

またロコンはグラエナの口内へ。しかし、今までとは違い舌の裏ではなく舌の上。

「お姫様だからマッサージしてやろう」

「そんなこと頼んでなんか……んぁ!……うぶぅ……」

すると途端にロコンの乗ったグラエナの舌が動き出す。
自分の体重など舌で簡単に持ち上げられ、執拗に全身を舐めていく。

「やめてください……やめて……!」

「グルル……」

ロコンは四肢を伸ばして舌と上顎を引きはなそうとするが、柔らかい舌に埋まってしまい意味をなさない。
グラエナは顔、首筋、腹、四肢、尻尾と余すことなく唾液を擦り付ける。
粘着性の強いグラエナの唾液は獲物の動きを容易く奪い、喉に通しやすくなっているのだがロコンにはそんな理由は関係ない。
ただべたべたに弄ばれていくだけだ。

対するグラエナはロコンを舌で弄ぶことに悦びを感じていた。
小さな生き物が自分の為に暴れ、自力では出ることのできない無駄な抵抗は興味をそそるものだ。

そんな獲物の抵抗も様々だ。舌で上顎に押し付ければ手足を押し付けて抵抗する。
少し噛んでやれば泣きわめく。
喉に近付ければ飲まないでと舌にしがみつく。
……どれも自分の気分次第で容易く喉を鳴らせば終わることだ。
先ほど食べた獲物も例外なくそうだった。棲みかに逃げ込んだ群れを見つけると、棲みかを壊して何匹かをそのまま丸呑みにしてやった。
暫く腹の中で暴れていたが、走っているといつの間にか腹の膨らみと共に無くなっていったが。

そんなグラエナからしたらロコンが呑めないことは残念だが、それもあと少しだ。

胸を踊らせたグラエナは更に脚を早めた……!


あと2、3ページくらいかしらw
前回の更新で初めての感想がありました、ありがとうございます♪
<2012/01/19 11:21 蒼空>
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