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魔女達の晩餐 − 旧・小説投稿所A

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魔女達の晩餐

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激しい流血表現があります!
苦手な方はご注意を!

「ギャニャァァッ!!!」

無慈悲に下された牙の洗礼はラッシュの両腕を奪った。
奪ったとは言え、何も喰い千切った訳ではなかった。
鋭牙は容赦なく体毛も、皮膚も易々と喰い破り
筋肉、神経、骨さえも容易に貫いた。
筋肉、神経、骨、骨髄。
その四層を貫いた牙はラッシュの矮小な両腕を貫き、
さらなる量の鮮血を促した。
全くの粘性の無いラッシュの血液はさらさらとフローラの口内へと
零れ落ちていき、口腔をより深紅に染め
唾液の底を映し出すはずの透明度はすでに失われていた。
代わりにあるのは、ラッシュの鮮血で紅く塗りつぶされた粘液。
にも、関わらずラッシュは胸の高鳴りを抑えようとはしなかった。
すでに痛覚は限界を超えている。
ラッシュのその心こそが、許容量を超える痛覚さえも興奮に転化していたのだ。
こうして口腔内で虐げられているのも。
食前の戯れとして。味見として。
舐められたり、甘噛みされたり、舌で責められたり。
そのどれもがラッシュにしてみれば、極上の褒美にも等しかった。
捕食者の欲望、支配欲、食欲、加虐心。
被食者の願望、恐怖、不安、死への懸念。
それらの’感情’の渦巻くこの口腔という空間こそが。
’捕食’という行為で感じてしまうのが、ラッシュら特定性執着者。
ラッシュの張り上げた悲鳴が、興奮なのか戦慄なのかは
本人にしか知り得ない事実だ。

「苦しいだろう……?」

フローラは衰弱した猫を取りこぼさない様に牙の断頭台から
口腔内に引き戻すと、ラッシュに舌を巻き付けた。
そのままギュウゥ……と万力の如くにキツく絞め付け上げる。
その間にも唾液は獲物の味に反応し、過剰な分泌を繰り返す。
真っ先にそれを受けてしまうのはラッシュである。
分泌されたばかりの唾液に舌ごと漬けられてしまう。
ラッシュの負った傷は無数かつ深いのも所々見受けられる。
そんな状態の体で唾液に漬けられ、染み込まされる。
他人に深い傷口に指で大量の塩を塗り込まれるような
誰でも顔を顰めてしまいそうな程の激痛が走っている筈ー

「ニャ……ニャァ//」

それでも、ラッシュは痛みに叫ぶような真似はしなかった。
すでにフローラの肉の質感に惹かれ、紅潮し
嬉しげに喘ぐばかりだった。

「この、変態猫め……」

舌の戒めからラッシュを解放すると、今度は舌先で硬口蓋に押し付けた。
グリグリ、と舌先が腹を蠢き強く口蓋に圧迫する。
圧迫される圧力に準じて、ラッシュの体の傷口から鮮血が零れ落ちる。
それもまた、唾液と混じり紅くなるー

ニチニチッ……ぐりぐり……

手加減など全くなく、容赦無しにラッシュは硬口蓋に押し付けられている。
その度にやや艶めいた喘ぎを零しては、頬を紅くしている。

「ほぅら……お前の望む所だぞ、変態猫」

スナック菓子を口に放る様に舌先がラッシュを喉に放り落とした。
足先から綺麗に喉に嵌り込んでしまう。
通常なら、誰もが喰われまいと必死に抵抗し
死に物狂いで脱出を試みる筈。
しかし、ラッシュは惚けた表情どころが悦びに溢れていた。
’喰われる’ことを望んでいる様に。
ぐっ、と口腔内に傾斜が付き、喉肉は蠕動運動を始めた。
弛緩、収縮、また弛緩。
その動作を繰り返し、ラッシュを食道に呑み込んでいく。
薄暗い地下室の天井がラッシュの視界を埋め尽くした時ー
捕食は完了してしまった。

ごくん……

空しい音がただ響いて。


短くてすみません。
台詞すくなくてすみません。
硬っ苦しくて済みません。
下手くそですみません。
<2012/04/24 20:51 どんぐり×セイル>
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