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魔女達の晩餐 − 旧・小説投稿所A

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魔女達の晩餐

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静寂が支配していた地下室に二人の足音が響き渡る

その音は監禁部屋にも響き、子供達に戦慄と恐怖を与えた

やがて足音が止む。扉の前で。

「ここにソーマが?」

「あぁ、他にも沢山いるぞ…♪」

黒光る金属の扉が重い音をたてながら開く

中にいた子供達は全員金縛りにあったかのように体を硬直させていた

トレゾアは子供達を一瞥し、フローラを見る

ニヤリと不適な笑みを浮かべるその表情はまさに魔女と呼ぶのに相応しかった

誰が見えても地下室の光景は異常だと思うだろう

しかしフローラは顔色一つ変えず、端から端へと見渡していた

「…一杯集めたな」

「凄いだろ…♪ん?」

笑顔で離すトレゾアの隣でフローラは舌なめずりをしていた

時間はもう夕飯の時間

彼女も空腹と本能には逆らえないようだ

「フフフ…どれでも好きな奴を食って良いぞ?好きなだけな…!!」

監禁部屋に入ってすぐ、先に我慢という名の枷を外したのはトレゾアだった

体を光らせ、金色の鱗で覆われた竜へと姿を変えた

そして何の躊躇もなく目の前にいた子供を巨大な手で掴みあげる

白く輝く鋭利な爪で手足を拘束するロープを切り、視界を覆う目隠しを破いた

天井の照明による光で子供は目を細めた

その子供の視界に覆い被さるように顔を近づけ、グルル…と唸る

案の定、子供は悲鳴を上げた

恐怖に怯えるその声に金竜は牙を覗かせて笑う

「フフフ…♪」

ベロリと分厚い舌で子供を舐め上げる

子供は口を塞がれ、体を這うぶよぶよと柔らかい舌の感触に悶えていた

同時に竜のねっとりとした唾液が全身に絡みつき、不快感に顔を歪めていた

それでも抵抗する隙も与えず、もう一度舌を這わせる

また同じ感触に呻き声を漏らす子供

その声と反応にトレゾアの心は少しずつ満たされていった

「グルル…ん?フローラも食え…♪」

「あっ、あぁ分かった…!!」

今の彼女の声で、ふと我に返るフローラ

それと同時に彼女を抑えていた枷が外れたようだ

フローラの体も光に包まれる

まばゆい閃光が走った刹那、そこにいたのは銀色の体毛と巨躯をもつケルベロスだった

三つもある顔の口元からは唾液が垂れ、ピンク色の舌が顔を覗かせていた

「ほぅ、ケルベロスか…♪」

トレゾアが子供をペロペロキャンディーの様に舐めながら呟く

フローラのも三つの首から唸り声を響かせ、残っている子供達に恐怖を与える

そして邪な笑みを貼付けた顔でトレゾアを見据え、口を開く

「では姐さん、いただくぞ」

「どうぞ…♪フフ、早く食わないと私が先に食ってしまうぞ?」

金色の竜と銀色のケルベロス

姿は違えど、中身は同じ人喰い魔女と恐れられる者達

今、彼女達の…魔女達の晩餐が始まったのであった



ちょっと頑張ってみた♪…けど落ちてるね、うんww

読んでいただき、ありがとうございます♪
<2012/04/08 21:43 どんぐり×セイル>
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