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夢。 − 旧・小説投稿所A

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夢。
− 夢の記憶ーーー −
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きいいぃぃんーーーー


白く眩い光がだんだん薄れて行き
おそるおそる
目を開いてみる

雲?
にしては…近すぎる気がする……
真下を見……「うわっ!」
体が宙に浮いていた

落ちるーーーーーー

瞬間俺は怖くなり一心になって目をギュッと瞑る

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー ?
地面へ体が衝突する音も 落下しながら風を切る音も …しない

「……?」

目を開けてみる
宙に浮い……いや、空中に佇んだままだ


「ここは貴方の記憶の中。だから落ちることも怪我をすることもない。ほら、あそこを見て」

あれはーーーー
そう 俺だ 幼き日のあの頃
草原に一人の少年が退屈そうに空を見上げている
光景から察するに恐らく夢の中
だが何故…夢の記憶なんだ?

もうちょっと近づいてみよう
そう思うと体はふわっと動いて
……ぱたん
地面についた

『…………』

少年はじっくりと空の雲の様子を観察しているようだ
……思い出した
これは小4の時に見た夢
日々友達とも馴染めず
宿題や塾が嫌だった
いつも夢を楽しみに生きていたーーー
……今と同じか……?
これがいい夢だったか
悪い夢だったか
覚えていない


バサッ……バサッ…
翼をはためかせる音が聞こえて “俺”はさっと振り向いた

俺はその瞬間ーー
目を疑ったーーー

『やあ♪』

そこにいたのは
透き通った薄い水色と青い眼を持つ竜
スプルー……だったーー
少し今より小さかったが、面影のようなものが感じて取れた


しかしなぜ…

何故ここにあいつが…? これが俺の記憶ならあいつとはもう既に会っていたと……そうなのか?

『え…き、きみは…誰?』
少年は少し怖がっているような震えた声で聞いた

『僕は竜だよ♪別にそんなに怖がらなくてもいいじゃん♪まぁ無理無いけど♪』
竜はわざとらしくジュルッと音をたて舌舐めずりをした

『………何をしにきたの?』少年はびびった様子で、またおそるおそる問う

『君を食べに来たの♪』

『……何で…?』

『お腹すいちゃったから♪あと君美味しそうだし♪』
『嫌だ!』
少年は背を向けて走ろうとしたが

ドテッ
石につまづき転んでしまった

勿論すぐに竜は彼に追いついた
彼は振り向いた
そして絶句した
目の前には
翼を広げ不気味に笑う大きな竜の顔が
ポタッ
彼の頭に生暖かい唾液がかかった
彼は座り込み喰われるのを待つしかなかった

そしてーーー





次捕食入りますw


<2012/09/25 23:44 イオン>
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