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出会ったもの − 旧・小説投稿所A

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出会ったもの
− 分岐A −
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「何も怖くはありませんよ?
 だからほら、お眠りなさい…!」

セルパンの瞳に青色の光が宿る。
そして少女の首筋に顔を近づけ、牙を突き刺した。
一瞬の出来事に彼女は声もあげられず、されるがままに。

生暖かい唾液と息が少女の首筋に絡みつく。
その感触が消え、冷たい風が肌を突き刺したのはすぐの事だった。
噛まれた場所からは鮮血が流れていく。
注射をされたような痛みが彼女を襲ったかと思えば、それはすぐに消えた。
更に意識も遠退いていった。

「んぅっ…」

またセルパンが彼女をペロリと舐めた。
くすぐるように舌を小刻みに動かす。
感触はしているものの、体に力が入らない。
瞼が重みを増し、視界もぼやけ始める。
何とも耐え難い眠気。
それはセルパンの毒だった。

彼は沢山の毒をもっている。
麻痺から催淫効果のあるものまで。

そして今使われたのが『眠り』の効果をもつ毒。


「ここで…寝ちゃ……」

完全に力が抜けてしまい、彼を見つめる事も出来ない少女。
ぐったりと、とぐろの中から食われたくないという声を漏らす。
抵抗も出来ず眠気と戦うことで精一杯のようだ。

フフ…と怪しげな笑みを浮かべるセルパン。
味付けが完了した獲物にもう我慢などは出来ないようだ。
ゆっくりと頭を近づけ…


グパァ…!!


大口を開く。

肉がびっしり詰められた口内。
端の方で彼女を仕留めた牙が唾液でぬらりと光っている。
赤い肉は絶えず蠢き、獲物を待っていた。
最初は小さく。でもすぐに少女を迎え入れる為に拡張されていく。
靄(もや)がかかった目でも、中の様子は鮮明に写し出される。

そんな光景を虚ろに見つめる少女の顔は、一瞬にしてその中へと消えた。

蒸し暑い空間で受ける肉の洗礼。
ザラザラとした堅い鱗とは正反対のクッションのような柔らかな肉の感触。
ぬめり気のあるそれは、ムニムニと彼女を揉み解すようにしては、体液を塗りたくっていく。
唾液が混ざる音、啜られる音、そして獲物の哀れな悲鳴が谺する。

息がしにくい上に、体液を吸収した服が素肌に張り付き、少女に更なる不快感を与える。
だが、抵抗する体力は何処にも無い。
何も出来ない彼女はすぐに、その奥へと運び込まれていった。

グチャァと生々しい音を立てながら広がっていく肉洞。
それは伸縮しながら少女の体を更に奥へと引きずり込んでいく…
腰から胸、胸から頭へと弾力のある肉壁が波打つように彼女を圧迫する。
上下、左右交互に挟んでは体液を塗りたくる。
唾液とはまた違った粘り気のある粘液は獲物の滑りを良くしていった。

数分もしない内に、少女の体のほとんどが呑み込まれてしまった。
今は足だけがセルパンの口から飛び出している。
力なく、ぐったりと垂れ下がっており、爪先からは彼の唾液が滴り落ちた。

最後の一呑み、と彼が思いきり天を仰げば、少女の足は吸い込まれるようにその奥へと消えた。
紫色の首に出来た一つの巨大な膨らみ。
それはゆっくりと下へ移動していき、胃袋と思われる場所で止まった。

その体に不釣り合いの膨らみを見つめ、セルパンは満足げな笑みを浮かべた。

「んっ、んん…!」

無理矢理顔を肉の中に埋められてしまった少女は、くぐもった声を発するのみ。
少しでも気を抜けば、一瞬で睡魔にも食べられてしまう。
肉を両手で押し返すが、逆に捕らわれてしまった。


ヌチッ…ムニュッ…クチャッ…ニチニチ…ニチュッ…


柔らかい胃壁だけではなく、体液も流れてくる。
生暖かく粘り気のあるそれは、あちこちに糸を引きながら少女に絡む。
ぬるりと体を舐め回されているような愛撫。
それは徐々に快楽を誘う。

これから消化が始まるという恐怖は既に消えていた。
全身くまなく湿った肉のクッションに撫でられ、埋められ、揉まれていく。
柔らかいベッドの上での快楽。
それに耐えられず、少女はゆっくりと目を閉じていった。
肉の中へ、そして深い眠りの中へと沈んでいく…

「ゆっくりお休みなさい
 もう二度と起き上がれませんがね…」

地面に横たわる袋から飛び出した酒瓶たち。
その褐色のガラスには、食事を終えた毒蛇の顔が映っていた……


まだ完全復帰したわけじゃないですが、少しずつ書いていこうかと思ってます

<2013/03/28 16:40 どんぐり>
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