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怪獣警官 対 お騒がせ神様コンビ
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オマケ話〜食べ物の恨み〜
九州のとある山奥にポツンとある小さな祠。
一見するとただの小さくて地味な祠なのだが、この祠には秘密があった。
「暑い、暑すぎる」
祠の中からなんと声が聞こえてきた。
だが人間が一人収まるか収まらないか程度の広さしかない祠から人の声というのは、いささか不自然ではないだろうか?
この祠の秘密は二つある。
一つ目は、この祠は実は地下室があるということである。
そしてもう一つが、この祠の地下室に住んでいるのは白兎の姿をした月夜兎という名の土地神だということだ。
「水神のお気に入りの湖で泳ぐか?でも今日は外に出るのも躊躇われるような暑さだしなぁ。……テキトーにアニメでも見るか」
月夜兎は部屋の隅に置いてあった段ボール箱からDVDを取り出し、DVDプレーヤーに突っ込んだ。
「さーてと、今日はアニメ鑑賞会としゃれ込むか」
そう言って再生ボタンを押した。
それからしばらくして……。
ピーッ、ピーッ、ピーッ!
不意に電子音が鳴り響いた。
途端に月夜兎はDVDを停止させ、チャンネルを切り換える。
すると月夜兎が住まう場所を中心とした地図が映し出された。
よく見れば、何やら赤い三角形が動いている。
その赤い三角形の横には『unknown』の文字。
「高度2万フィート、速度400ノットで未確認の飛行物体が二つ接近中か。ドラゴンか龍か?」
それは言わばレーダーのようなもの、それも妖怪など人外のものに反応するものであった。
何かと敵の多い月夜兎がトラブル回避のために様々な妖術を組み合わせて作ったものだ。
この高度、このスピードならまずドラゴンか龍に間違いはないだろう。
「水神が出てくる気配がないな。もしかして水神が友達を呼んだのか?」
もしもよそ者のドラゴンや龍ならば、今頃水神がすっ飛んでいっているはずだ。
だが画面上には水神の反応はない。
二つの赤い三角形は水神が住まう岩山を中心として描かれた円の内側、すなわち水神の結界の中を通っているわけだから気付かないわけがない。
「なんだなんだ、水神の知り合いかよ。気張って損した」
月夜兎はチャンネルを元に戻し、再びDVDの鑑賞を始めた。
<2011/07/09 21:03 とんこつ>
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