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怪獣警官 対 お騒がせ神様コンビ
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目が覚めたとき、月夜兎は風呂の中にいた。
まだ体の一部は凍っているが、この分ならすぐに溶けるだろう。
「……あれ?風呂?」
月夜兎は今更ながら現在の状況の不可解さに気づいた。
確かネージュに胃の中で凍らされたはずでは?
「起きたね、月夜兎」
上から声がした。
なので上を見たところ、そこには水神の顔があった。
いや、水神だけではない。
ミレア、ジェネラス、ネージュの顔もある。
「……これ、水神の鍋か」
「当たり。で、月夜兎。なんでこんな目に遭わされてるか分かってるよね?」
静かなる殺気に満ちた水神が月夜兎を箸(水神サイズの話であり、我々からしたら小さめの角材)で突っつく。
……おちょくって1日に四度捕食されるという不滅の記録を残してやろうかな。
そう思った月夜兎だったが。
「私をおちょくるようなこと言ったら、兎鍋にするからね」
まるで月夜兎の考えることなどお見通しと言わんばかりに水神から牽制が入る。
「分かった、分かった。あのことを謝ればいいんだろ?この前コタロウ巡査たちから頂いたケーキのイチゴを全部食べてしまってスミマセンでした」
月夜兎にしては珍しくきちんと謝った。
これで万事解決。
そう思った月夜兎だったが、どうも水神の様子がおかしい。
「そっか。あのケーキには本当はイチゴがついてたんだ。美味しいわりには味気ないと思ったら、そういうことだったのか!」
水神の怒りが爆発した。
げっ、あのことで怒ってたんじゃなかったのか。
しまった、地雷を踏んだ。
月夜兎は激しく後悔したが、時すでに遅し。
「兎鍋決定」
水神は冷たく言い放つと、用意してあった野菜やらを鍋にぶち込んで蓋を閉めてしまった。
「ミズキちゃん。こんなにやっちゃって大丈夫なの?」
「大丈夫だよ、ミレアちゃん。月夜兎はこれだけしてもどうせろくに懲りないからね」
「フフフ、兎鍋だなんて美味しそうじゃない。そう思わない、ジェネラス?」
「……否定は出来ないな」
こうして四匹(よにん)の竜たちは兎鍋を楽しんだとさ。
おしまい
<2011/07/31 06:04 とんこつ>
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