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【保】ハロウィン小説 お菓子をくれないと○○するよ!
01 02
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……とある広場にて……
「こんばんは! トリックオアトリート!」
「こんばんは♪ はい、お菓子ですよ♪」
ハロウィン特有の台詞に私はニッコリと笑うと、
この日のために用意した拳大の小袋に入ったクッキーの詰め合わせを
とても元気のいい返事をする子の手の平においてあげる。
「ふぁ〜♪ 美味しそう……お姉さんありがとう!」
手に乗せられたクッキーの小袋に嬉しそうに笑うと
私に一礼をして、今度は別の誰かにお菓子を貰うために何処かへ駆けだしていった。
その元気な後ろ姿を見送り……
私は、ちょっとため息をついた。
「ふぅ……中々好調ね。
昨夜、一杯作ったかいがあったわ。」
実際かなり好調で、さっきの子で10人目だったんだけど……
今……ちょっとさえない気分なんだよね。
理由は私のそばに今まで配ってきた小袋とは別に用意してある……
それぞれ6種類の色の違う大きめの袋。
中に入っているクッキーのサイズもかなり大きめで、
この袋を渡したい人たちが、今回のハロウィンパーティーにまだ来てなかった。
「はぁ……このまま、渡せないのかなぁ……」
「……どうしました? ……あまり元気がないようですが?」
「あっ! スイクンさん♪」
とても聞き覚えのある声に顔を上げると私の目の前に、
いつの間にかスイクンさんがいて、心配そうに私の顔を覗き込んでいた。
いきなり元気になった私にスイクンさんは、
何も言わずちょっと不思議そうに頭を傾げたけど……
その理由については最後まで何も聞こうとはしなかった。
「……その様子だと大丈夫そうですね。なら……こんばんは、アイゼンさん。」
「あうぅ……心配させてすみません。
こんばんはスイクンさん……その姿は……ドラキュラの仮装ですか?」
丁寧に頭を下げて挨拶をするスイクンさんに慌てて私もお礼を言いながら頭を下げた。
その後、改めてスイクンさんを見ると、
ハロウィンにつきものの仮装にドラキュラを選んだみたい。
それらしいマント姿と風体に仮装している。
「……似合いませんか?」
あんまりジッと見つめすぎたのか?
スイクンさんはちょっと心配そうに自分の姿を見渡しながら聞いてきた。
「いえいえ、すっごく似合ってますよ♪」
「……そうですか……それは良かった。」
それに私が笑顔で答えると
スイクンさんが嬉しそうに薄く微笑んでくれた。
「……それでは折角なので……トリックオアトリート。」
「はい♪ スイクンさん、このお菓子を受け取ってください♪」
すこし恥ずかしそうなトリックオアトリートだったけど……
そんなところがスイクンさんらしいなと、
私は笑ってしまいながら水色のお菓子入りの袋をスイクンさんに差し出した。
「ちなみに中身はちょっと大きめなクッキーですよ♪」
「……そうなのですか。
とても美味しそうな匂いがしますよ。」
差し出されたクッキーの袋の匂いを少しかいだ後、
スイクンさんはそっと袋の入り口を咥えると、この時のために用意したのか?
胴体に身につけている大きめなカバン状の入れ物にクッキー袋を入れた。
「ふふ……昨日、遅くまでかかって一生懸命作ったんですよ♪」
「……そうだったのですか。……後で美味しく頂かせて貰います。」
良かった……まだ、食べて貰っていないけど、
どうやらスイクンさんは私のクッキーを気に入ってくれたみたい。
でも、美味しそうって言ってくれて嬉しかったな〜
「アイゼンさん……嬉しそうですね。」
どうやら、それが顔に思いっきりでていた見たい……
スイクンさんの微笑みが明らかに笑
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