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【保】巡る冬…雪の降る日……この思い出はいつまでも……
01 02 03
まったく変わらないあの森の中心、
あの森の広場でフラミーは目を覚ました
「……みゅ〜 ピピ……?」
……頬に涙の流れた後があった。
懐かしい思い出の夢を見て、フラミーは大好きな友達の名前を呟く。
期待するかのように頭を擡げ、周囲を伺い。
何も見つけることが出来ず、シュンと頭を地べたに這わせた。
「ふみゅ〜……気のせいなのかな〜?」
ため息吐き出された言葉には、明らかな落胆の色が見える。
あの時……眠っているとき、聞こえた気がしたのだ。
片時も忘れたことのない友達の声が。
「……ピピ」
もう一度、名前を呟き、フラミーは眠るように目を閉じた。
こうして目を閉じていると、あの時のように友達に会えるような気がしたから。
あんな夢を見た以上なおさらだった。
(会いたいな……ピピに……)
目を閉じていると、また少し眠くなってきたのか、
フラミーの身体が脱力していく。
それでも、頭は最後まで友達……ピカチュウの事を考え続けていた。
あの時から、万事こんな調子でフラミーは毎日を過ごしていた。
ピカチュウと別れた後、フラミーは泣いた。
何日も何週間も泣き続けた。
ようやく涙が止まった頃には、森に春がやってきていた。
さらに季節は『夏』……『秋』……『冬』と巡っていき……
だからといってフラミーには、何もすることはなかった。
知らない……と言うべきか。
(時間は遡り……)
フラミーは生まれ……気が付いたら、あの広場にいた。
何故ここにいるのか、何のためにここにいるのかまったく分からず。
かといって、この森から出ようとしても、
本能的にこの森から遠くへ行く事を拒否してしまう。
けれどフラミーは笑えた。
生まれたばかりの『彼女』には見るモノが新鮮だったから。
森に住む生き物たちも、すぐに懐いて遊び相手にもなってくれた。
けれど……ちょっとだけ、寂しかった。
そして、あの日。
広場でフラミーが、うたた寝しているとき出会ったのだ。
「みゅ〜……」
夢うつつ、ピカチュウと分かれた後の事を思い出し、
フラミーは少し泣いてしまった。
目を擦り涙を拭き取ると、いつの間にか眠気も無くなっている
(みゅ〜……ピピの声もう一度聞きたかったな〜)
幻聴でも良かった。
もう一度だけ友達の声を聞きたい。
ピカチュウの声を聞きたい……
それだけを願って、フラミーは、もう一度だけ耳を澄ました。
(一年ぶりだな……)
「みゅっ!?」
フラミーは飛び起きる。
一瞬だけ聞こえた声……それは確かにあのピカチュウの声だった。
「ピピ♪」
フラミーの顔一杯に満面の笑みが溢れた。
垂れ気味だった耳がピーンとまっすぐに伸び、目は上空に広がる空を見据え。
待ちきれないとばかりに、四肢に力を込め、
力一杯に大地を蹴り、フラミーは空に舞い上がった。
ピカチュウがすぐ近くまで来ている。
そう確信していた。
早く! もっと早く!
力強く大気を翼でたたき、フラミーは全力で空を駆け抜ける。
巻き起こった突風が、眼下の木々を激しく揺らす。
かなりの被害をもたらし、それを気にもせずフラミーは探した。
高速で流れる世界で目をこらして。
そして、見つけたのだった。
「ピピ!」
* * *
懐かしい声に呼ばれた気がして、ピカチュウは目を開けた。
周囲を探し回るように目をやり……
「……だれ? ……フラミ?」
問いかけた声に返事は返ってこなかった。
気を取り直し、ピカチュウは森を見据える。
「フラミー……今行くから、待っててよ」
フラミーに
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