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【保】イーブイの章1 小さな生け贄
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。
……その声は直ぐに小さくなっていく……
「ぁ……ぁっ……く、、くるし……ぃ……」
グリフィンが常にグリッグリッと地面にねじ込むように踏みつけ、
満足に呼吸が出来ない……イーブイの動きがだんだん弱々しくなっていく。
「ひぁっ……あぐっ……くあぁっ……」
イーブイの体を襲う苦痛が限界を超えようとしている……
目から次第に涙が浮かんでいき、ひたすら空気を吸おうと喘ぐ声をあげる。
足下で喘ぎ続けるイーブイに向かってグリフィンは……冷酷に言い放つ。
「そんな小さな体で我から逃れようなどできまい!!
さぁ、おとなしく我にその身を献げよ!!」
その一瞬、イーブイを拘束する力が緩んだ。
「ひぅ……っ!」
一瞬得ることが出来た自由……
何も喋らず……ひたすらに空気をむさぼるイーブイ。
そして、直ぐに訪れる苦痛の時間……
ギュゥッ!!
グリフィンはイーブイを押さえつけている前足を上手く使って、
その小さな体を握り込んだ。
「うぎゃあああっ……ぁぁあっ……!」
再び悲鳴をあげるイーブイ……
それに感慨も持たずに持ち上げ口下まで持ってくる。
「我に出会えたことを誇りに思うんだな。」
最後にそう言い終えるとグリフィンの大きな口が、クワァッ!と開いていく……
唾液が口の中で糸を引き、イーブイの頭の上にも滴り落ちてくる。
……真っ暗な洞窟の中……
不思議とグリフィンの大きく開いた真っ赤な口が、
イーブイにはハッキリと見えていた。
「ぐぅっ……! や……やめ……てぇぇっ!!」
絶叫と共にイーブイは体に渾身の力を込める。
僅かに……本当に僅かに捕まれた体が動くようになった瞬間……
ハグゥッ!!
イーブイがその小さな口で、グリフィンの前足に必死に噛み付いた。
小さいながらも鋭い牙が食い込み『ウッ..!!』とグリフィンが痛みで呻いた……
その時、イーブイを掴んでいた前足がゆるんだ!
死にものぐるいで、つかんだ一瞬のチャンス……
「ぅっ! いまだぁっ!」
素早くグリフィンの捕まれていた前足からスルリと抜け出し、
スサッ!と地面に降り立つと同時に駆けだした。
「た、食べられるのイヤだぁっ! はぁっ はぁっ! 」
逃げ出すイーブイを横目にグリフィンはしばらくの間、痛みと怒りにブルブルと震えていて……
「おのれ〜!!生贄の分際で我に、このようなことを!!」
血走った目で逃げていくイーブイを睨みつけ、
怒声を……それでいて、冷たい底冷えのするおぞましい声がイーブイの後ろから突き抜けていった。
「ひぅ、うううっ……なに、これ……怖い……」
体が上手く動かない……さっきまで軽快に動いていたはずなのに、
イーブイは分からなかった……恐怖と言う重しが重くのしかかっていることに。
「愚か者よ!!我の力の恐ろしさを見せてやろう。」
喋っている間にもグリフィンの体から緑色のオーラの様なものが立ち上る。
グリフィンはゆっくりと足を上げて……踏み下ろした!
『アースクエイク!!』
ドゴンッ!!
足が踏み下ろされた瞬間、叩きつけた地面から勢いよく岩が生えてくる。
それが、次々と地面から生えていきイーブイに向かって突き進む!
ドゴッ!!ドゴ!!バンッ!!
「ひっ!?」
ゴゴッ ドガァァッ!
足下から生え突き出した岩に突き上げられイーブイの体がくの字に曲がり、
そのまま、宙に勢いよく吹っ飛ぶ……
力なく開かれた小さな口から呻き声と共に唾液の飛沫が飛び散った。
「……クハッ! うぎゃぁああああっ!!」
宙を泳ぎ
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