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【保】イーブイの章1 小さな生け贄
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いるのか……
生け贄の味がさっぱり分からん……我とした事が……」
グリフィンはこのままではイーブイを味見を続けるのが無理だと悟ると……
シュルルウゥと根を操りイーブイを頭上へ持ってくる。
木の根に天井高く、つるされてイーブイは全身から唾液をポタポタと滴らせながら、
力のない目で眼下にたたずんでいるグリフィンを見つめる。
その内、全身を濡らしている唾液から臭気が発せられ始めて、今にも吐きそうな吐き気に襲われる。
「うぅっ…ぐぅ……うぇっ…くさぃ……」
ほぼ完璧にグロッキー状態になったイーブイ。
その真下でグリフィンは、頭上を向きグワァ…と大きな口を開けた。
足下に開いた真っ赤な穴を見たイーブイ……まるでその中に吸い込まれそうな感覚に襲われる。
「ひゃぁああっ!?」
悲鳴をあげ、再びジタバタ暴れ出したイーブイを見上げ……
「さぁ、これでお前も我の下で働けるな。」
「いやだっ いやだぁぁぁ!」
そんなイーブイの願いの叫びも空しく……
グリフィンが木の根を操りシュウゥゥ…と根が緩み始めて、イーブイの体がズルズル滑り落ち始めた。
「ぁ……あっ」
『食べられたくない』それが頭に浮かんだとき……イーブイは夢中で根につかまっていた。
それも、いつまで保つのだろうか……
「最後の悪あがきか。」
「ぇ…!?」
木の根がドンドン洞窟の天井に消えていく……そして
シュルゥ……ルッ
「いや!……うわぁぁぁぁっ!」
ついに……根が天井に消えイーブイが落ちてくる。
それを待ちかねていたグリフィンはさらにアァ〜ン…と大きく口を開き……
バクッッ!!
グリフィンの口がしっかりとイーブイをくわえ込み閉じられる。
そして、悲鳴が響き渡る……
「きゃぁぁぁあっ!」
一瞬早く、イーブイの小さな体が、
すべて収まる前に閉じられた口から……
顔だけがかろうじて横にはみ出している。
それが予想外だったグリフィンは頭を傾げる。
「ん?少し閉じるタイミングが速かったか....。まぁよい」
本当にどうでも良いとばかりに言葉を漏らす。
そう……グリフィンにとっても、これからの結果にも関係なかった。
グリフィンは手こずりながら、やっとの思いで口にした生け贄を味わい始める。
最初は、食感……グリフィンの顎が軽く動き、ギュウゥウとイーブイを軽く噛んでみる。
「あぁぁぅぁっ……」
「あれだけちょこまかとすばしっこいやつは、
噛んでみるとこれほども柔らかいのか……新しい発見だ。」」
グリフィンは自分の牙がイーブイの体に食い込むたびに柔らかな食感を感じていた。
鋭い牙に体中をハサミつぶされている間にだんだんと口からあふれ出た、
唾液がイーブイの顔を伝って地面に滴り水たまりを作っている。
そんな状況でもイーブイは逃げようと口の中で体をジタバタと動かしていた。
暴れるイーブイの四肢の動きを鬱陶しく感じたグリフィンは、
舌を使ってイーブイの下半身をギュウゥゥっと押しつぶした。
「うぎゃぁあっ……だ、出してよぉぉっ!! けほっ……」
「我を甘くみた罰だ少々痛みつけてやろうではないか。」
「 きゃんっ!……しゃべ……らないで……ひゃぁっ!!」
グリフィンが喋るたびにクチャクチャとイーブイがあちらこちらで軽く噛まれる。
その度にイーブイは痛みで喘ぎ声を叫び続ける。
「どうだ?我の力を思い知ったか?」
「うううぅぅ……」
その問いにイーブイは答えることは出来ず……涙を流していた……
しかし、それも滴り落ちる唾液に塗れているせいで誰にも分からない。
そして
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