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【保】ニューラの約束……そして、課せられた罰
01
だが、ニューラは未だ気が付いていない。
湖からずっと後をつけてきている生き物がいることに……
まるでニューラが疲れ果てるのを待っていたかのように、その生き物を大きく翼をはためかせる。
次の瞬間、姿が霞むほどの早さで急降下。
高速で流れる視界の中、ニューラの姿をしっかりと捉え、
その生き物は大きく口を開く。
自身が巻き起こす突風で、涎が頬を伝い背後に流れるが気にも留めない。
圧倒的なスピードの差……その生き物に取っては、
走っているだけのニューラなど止まっているも同然であった。
一瞬で間合いは詰まり、
二人の姿が交差するその瞬間に……
バグゥッ!
ニューラの身の丈以上の大口は閉じられ……
彼女の身体は草原から、その大口の中へと消え失せたのであった。
※ ※ ※
(ああ……私……あの時此奴に食べられたんだ……)
半分蕩けたような頭で、ニューラはようやくその事に気が付くことが出来た。
しかし、気づくことが出来たからと言って、この口から逃げ出すことは出来ない。
だが、望みも僅かに存在していた。
「だけど…此奴……私を呑み込もうとしない……?」
口内に溜まった唾液に下半身が浸かりながら、ニューラが試すように右足に力を入れる。
グチュッと柔らかな舌が凹み、足が付け根まで埋まってしまう。
拍子に溜まっていた唾液が流れ込んだ。
「ひぅ……うくっ……気持ち悪いわね……」
右足を包み込んだヌルヌルとした唾液と生暖かい肉の感触が、
背筋にゾクゾクとしたモノを走らせ、ニューラは思わず喘いだ声を出してしまう。
「うぅ……あんまりやりたくないけど」
かなり気持ち悪さが彼女を襲っていたが、我慢して埋めた右足を何度も強く舌に押し付ける。
それに何の意味があるのだろうか?
ニューラが右足を動かす度に溜まった唾液が生々しい音を響かせる。
グボッ……グチュ〜……
「あぅ……ひぐっ……もう、少し……」
再び走る感覚にニューラは頭がおかしくなりそうだった。
それでも舌を刺激する行為を止めない。
これは実験であった……この口の持ち主の意志を確かめるための。
グチュッ!
「ひゃっ! うぶっ!」
ついに巨大な舌が動き出し、いい加減にしろとばかりにニューラを取り押さえにかかる。
自分を取り押さえようとする舌に、ニューラは自分の背を押し付けそれに耐えた。
「ん……ぐっ……なんて……力なの」
必死に堪えるニューラだが、徐々に身体が折れ曲がり始める。
右足を舌に埋めているせいで、殆ど踏ん張りが効かないのも原因であった。
巨大な舌が自分を押さえつけようと力強さを増す度に、背中に強く感じてしまう柔らかな感触……
だからこそニューラは気が付いた。
「……っ! いやっ!」
とっさに気が付きニューラが素早く右手を上げる。
間一髪、背中から折り返してきた舌先が、彼女の顔に届く前に右手に遮られ寸前で止まっていた。
「……くぅ!」
苦しそうな呻き声が巨大な口内に響く。
両手両足、背中頭部……自分の身体全てを使って、
押さえつけようとする舌に対抗するニューラ。
舌を刺激しすぎたら、こうなることは分かっていたはずなのに、
彼女はどうしてあんな事をしたのであろうか?
とにかく今は、必死に抵抗を続けて……
「えっ? キャッ!!」
一際大きな悲鳴が響く。
突然持ち上がった舌にニューラは体制を崩して前のめりに突っ伏した。
顔が埋まり呼吸が止まる。
「んぐっ…うぷっ……あぐっ!」
空気を求めて顔を上げようとしたとき、
ニュ
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