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エンペラーフェスティバル
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− Anaconda and Dust room −
、『ポケモンリーグ 122号倉庫』と書かれたプレートの
前に立った。ゴクリと唾を呑み、息を合わせて扉を吹き飛ばす。
ドギュゴォオオオオン!!!!
…バタン!!!
金属製の重いドアはいとも簡単に蹴破られ、盛大な音を立てて
床に倒れた。二匹は呼吸を止め、素早く中に入り込む。倉庫と
言うだけあって、電池の切れた蛍光灯がチカチカと不規則に点滅
していた。ホコリだらけの窓からは、月明かりが寒々しく射し込んでいる。
「ゲホッ…ど、どうなってるんだここの清掃管理…!!」
「私に言うな….おい、大丈夫か!?」
バビロンが突然、床に手を着いて咳き込む。喘息でも起こした
ように息は荒く、ゼーゼーと喉から妙な音もしている。ギラテ
ィナはとっさに原因を見つけると、急いで倉庫からバビロンを連れ出した。
「…ホコリは人工竜の天敵だな。お前も所詮はコンピュータ…という事か」
「な…ゲホッ…ゲホッ!!」
電子機器にホコリは禁物だ。バビロンをクリーンな廊下で休ませ
たまま、ギラティナは再び倉庫の中へと足を踏み入れた。額の金の
リングが、キラリと蛍光灯の光に煌めく。
ガチャガチャ…ギシッ…ガチャン!!!
「(何か踏んだか…?)」
しかし気にかけている時間はない。ロケット団最強の砦が、この
ボロ倉庫の奥に潜んでいるのだ。『Gaia Memory』と書か
れた箱を蹴りとばし、ギラティナは更なる闇へと進んでいく。
ふと振り返ると、入口の光が別世界のように遠くに見えた。
「懸賞金ゼロ。それにして戦闘力はカイオーガを上回る危険因子…か。
君もなかなか手強いようだな」
「な…どこだ…!!」
幽霊のように囁かれる声。それは聴き間違いなく、あのサカキ本人
の声だった。ギラティナは即座に辺りに目をやるが、あるのは薬品
やドラム缶ばかり・・
「どこを見ている。捜索能力は乏しいのかね?」
「…好きに言えばいい。
いずれ姿を見せないと、お前も私に攻撃できないぞ」
眼を閉じ、全神経を働かせて居場所を探る。声の方向から探知
しようとしたが、まるで全方位から響いている声だった。ふぅと
諦めの溜め息をつき、ゆっくり眼を開ける。
「…逃げずに出てこい。一騎討ちしようじゃないか」
「ほう…意外と勇敢だねギラティナ君。敵ながら敬意を表するよ」
「それはどうも」
瞬時に感じた……上だ。
ギラティナは赤い爪を輝かせ、天井にシャドークローを見舞った。
強烈な一撃を受け、コンクリートの天井がゴロゴロと砕け落ちてくる。
「いやーたいした腕前だね君は。
噂ではあのカイオーガの師匠…とも聞いているが?」
「…お前は世間話をしにきたのか?」
「おっと失礼、ご機嫌を損ねたのなら謝罪しよう。
お気付きだろうが目的はもちろん…占拠だ」
白い銃弾が二発三発と飛んでくる。ギラティナはそれを軽快に
かわすと、右翼をバサッと広げて回転した。
『四面楚歌!!』
翼による遠心力を使った斬撃は、円のように周囲に広がっていく。
鉄壁をスッパリと切り裂く威力だったが、サカキはそれを避け切
ったようだ。
「期待どおりの相手だ…久々に本気を出させて頂こうか」
サカキは清楚なネクタイを締め直し、
スーツの懐からメモリを抜き取る。
「…….消える覚悟は、できたかね?」
「お前がな。」
キチッ…『ATOM(原子)!!』
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←<2011/07/26 23:39 ロンギヌス>
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