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エンペラーフェスティバル
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− 嘘と再会 −
GOOD BGM:『Pokemon Movie 11 END "One"』
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サアアッ…ドギャァン!!!!
「っ…わああぁっ!!」
カイオーガのヒレがサカキの喉に触れる瞬間、空気が火を吹くように炸裂した。パァーンと弾けるような音の後、カイオーガは仰向けに吹き飛ばされた。
ラティ「い、今のはいったい…」
サカキ「…水素爆発だよ。私の体には今…爆発ギリギリまで追い込んだ水素の膜が張ってある。ちょっとでも触れれば…ドカンだ。」
爆風に飛ばされたカイオーガだったが、メモリの効果で、狂気の染み込んだ目でまた乱舞しようとする。しかしそれを見ていたロンギヌスが、急に膝を折って倒れてしまった。胸を押さえ、ゼーゼーと低い息を吐いている。
「うっ…ぁあ…んぐ…」
レム「ど…どうしたの!? 顔色が酷いわ…」
次第に遠ざかっていくレムリアの声。ロンギヌスの神経はマヒし、全身が何者かに乗っ取られるような感覚に襲われた。まるで霊に…ゴーストに取り憑かれたような…
レム「マ、マスター…? 急いでリーグに戻った方が…」
???「下がっててくれ・・」
ロンギヌスの口から飛び出したのは、元の声より更に低い、悪魔のような唸り声だった。
瞳が財宝のような金色に燃えはじめ、真っ黒だった髪も、何の前触れもなく変色しだした。
レム「ラティオス…マスターがぁ…!!」
ラティ「・・(誰かに身体を占有されてる・・?)」
姿が変貌したロンギヌスは、闘争心に身を任せているカイオーガを目に向けた。凄まじい勢いで彼の背後に追いつくと、両手でガシッとヒレを押さえ込んだ。サカキに再び殴りかかろうとするカイオーガ、だがロンギヌス(?)は唇をそっと彼に近づけ、なだめるようにこう囁いた。
「カイオーガ落ち着け…私だ…」
「離せ…僕に触らないでよ…!!」
死ぬまで踊り続ける気なのか、カイオーガは自分を押さえているロンギヌスに噛みついた。二の腕に立派な牙がズブリと食い込んだが、ロンギヌスはわずかな悲鳴も上げない。むしろ懐かしい物を見るような瞳で、腕にかぶりつくカイオーガを凝視していた。
???「久しぶりだな…お前に牙を突き立てられるのも…」
「うぅーっ…!! ・・・え?」
ラティオスにもレムリアにも覚えのない声。だがカイオーガの記憶には、それが色濃く刻まれていた。八年前・・自分に「ありがとう」と言ってくれた声・・
「ギ…ラティナ…なの…?」
「約束通り…また逢えたな、お前と。」
カイオーガの心に眠る、八年前から止まっていた時計が動き始めた。ロンギヌスの肉体を借りて現れた親友に、呻き声すら出せなくなる。不意に頬をつねって見ても、その姿は消えなかった。
「来てくれた…の…?」
「…お前を五年間ずっと探していた…
闘う友を放っておいたら、私は一生後悔するはずだから。」
脱力と感嘆に酔いしれるカイオーガ。彼の胸から水滴のように落ちたのは、役目を終えたミュージックメモリだった。ギラティナは黄金色の瞳を閉じると、そっとお互いの額を突き合わせた。ポケモンの世界では、友情を示す最高のサインだ。
サカキ「再会も結構だが……そろそろ終わらせてもよろしいかな?」
ギラ「っ…お前達も掴まれ!!」
ラティオスやレムリアに叫び、腕を横に突き出すギラティナ。どうやらシャドーダイブ…人間態でも使えるようだ。この場を離脱するには・・それしかない。ギラティナは全員が自分に触れているのを確認する
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