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【保】迷い人
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暗い部屋の中…今日も同じ日々を歩む青年の不思議な物語…
『…眠い』
大きな体を引きずって朝食が置かれた台所へ向かいいつもと変わらぬ朝を迎えていた
『…いつもと変わらない毎日…何も面白いことがない…』
彼の名前は奥田 孤人 『オクダ コヒト』
いつも変わらぬ毎日に飽き飽きしている青年だ
『…さて…と』
いつものように自分の部屋に入ると古いパソコンを起動する
『…カタカタ…カチッ』
そのままキーボードとマウスの音だけが暗い部屋の中に響いていた
『…いいな…こんな世界に行ってみたいよ…』
パソコンに映し出されていた幻想的なイラストを見て呟く
『…存在しないから無理か』
この世界は嘘や偽りだらけ 人々は争いそして環境を破壊して自分の住みよい世界を作ろうとしていた…子供達はいつもこの世界とは違う世界に憧れていた…ここにいる青年も同じ…
『…もしいけるなら…この体も魂も何でも差し出す…だから…』
そこで言葉が止まりかける
『何度言ったことか…聞いてくれる人はいないか…』
そのままベッドに倒れこんで目を瞑ってしまう
『…クスクス』
何かが聞こえる…笑い声が聞こえると飛び起きる
『誰だ…!』
周りに警戒しながら傍においてあった竹刀を構える
『アナタは何でも差し出すって言ったわね?』
姿の見えない相手に警戒しながら返事をする
『ああ…こんなくだらない世界とはおさらばしたい…』
『いいわよ?私の世界にいらっしゃい。あなたが何処まで生き延びれるのか見物だわ…♪』
その声と同時に地震が起きたように激しく揺れていく
『…?!』
『フフ…アナタは彼らに食べられずに私のところへ来れるかしら?』
地震が収まるとその声も聞こえなくなり慌ててカーテンを開けて外を見た
『…面白いこともあるもんだな』
辺り一面が巨大な森に囲まれていた…まるで森の海だった…
<2011/11/23 23:53 狐人>
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