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ぼくのなつやすみ
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− 五歳児の夢 −
「…どこなのだ….ここは…」
「そ、それを私に聞いちゃうんですか?」
「いや…地図に従って飛んだはずだ。間違いなどある訳が……」
「……あのォ、ギラティナさん…」
「…..何だ。今は話しかけないでくr…」
「北がどっちだか、理解してます?」
・・・・・・
ヒュウゥゥゥ……
聴くも虚しい風の音が、さらに自分達を情けなくする。
入り組んだ土地には滅法弱いギラティナとラティオスは、警視庁
を越えて山の辺りにまで到達していた。お互い、自分の方向音痴
に顔が赤くなる。
「御免なさい….あの兄さん(失言)でさえスンナリと辿り着けるのに…」
「マスターには余裕だろうが….ポケモンに都会は厳しいものだな」
フッと凍えるような声で呟くギラティナ。そのまま失意に打ちの
めされて沈みそうだったので、やむ無くラティオスが正規ルート
を探す羽目となった。
「えっと….北はこっち、警視庁はあっち、それで僕達がいるのは……どこだろう」
「(カイオーガに嫌われる….)」
結局、彼らの運命は近くの交番に委ねられた。指名手配はされて
いないため、警察官にも気軽に道を聞ける。ラティオスはホッと
一息吐くと、ギラティナ頭の左右に突き出した部分をコンコンと
叩いた。
「まあ…気を取り直してください。兄さんには黙ってますから」
「…それはありがとう…..」
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迷子になったラティオス達が持つ悩みは、「どうやって帰ろう」
それに対して戦闘中のロンギヌスの悩みは「遺書を書き忘れた」だった。黄金の腕をビュンビュンと避け続けていたが、そろそろ
息が上がってきたようだ。
『必殺….苦他張夜牙礼!!!!!!(←「くたばりやがれぃ」と読みましょう)』
カイオーガは毒龍と海龍を、ヒレから大噴火のように大量に
創りだす。警視庁のグラウンドに毒液と水を撒き散らしなが
ら、その無数の龍たちは財竜に牙をむいた。
しかし・・・・
ジャラジャラジャラジャラジャラ……!!!!
太陽に輝くコインが、山のように完成するだけだった。自分の技が
惨憺たる結果に終わってしまい、カイオーガも表情が沈みかける。
「マスター….勝ち目あるのかなぁ、この闘い」
「よし…カイオーガ、ハイドロポォンプ!!!!」
「さっきやったけど避けられたよ」
「ぅぅ…じゃあ波乗りぃ!!!」
「多分マスターにも当たっちゃうよ」
「くそ….じゃあ仕方ない」
ロンギヌスは一瞬だけ俯いたが、すぐに視線を余裕の笑みを浮か
べている財竜に向けた。真新しいメモリを一本と、何やら怪しい
匂いがプンプン漂う機械を取りだす。
「マスターそれなぁに? トイザ○スで新発売のオモチャ?」
「ふっふっふ…この俺を甘く見たな、財竜とやら」
バビロンには遠く及ばないものの、ロンギヌスは高校では
嫌味なヤツとして知られていた。腹立たしい上から目線を
財竜にぶつけ、挑発する。
「な、何を….!? 君らだって僕に指一本触れられてないじゃないか!!」
「ああそうだよ…今までは、ね」
マキシマムドライブ用の黒いスロットとも違う。ロンギヌスが
手にしていたのは、それを改造した形跡のある紫色のスロット
だった。バイオリック社のロゴが捺されているので…
大方、バビロンの発明品(違法改造)だろう。
「そ、それは……?」
経験豊富なベテランであるはずの財竜が、未だ見たことも聞い
たこともない代物。ロンギヌスはそ
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