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『運命』の記憶
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− 禁断のテクノロジー −
強化ガラスの水槽の中に収められた、一匹の黒き竜・・
体のあちこちにチューブを取り付けられ、今はスースーと可愛らしい寝息を立てている。
毎日24時間、ずっとこの培養タンクに沈められている彼には、
まだ意識も欲望も存在していなかった・・
彼の名は、人工竜・バビロン。
ーーーーー
「今まで二人も刺客を送ったというのに…未だ目標は確保できず…か」
「ムゲン竜・レムリア。彼女が生命工学にもたらす影響は計り知れん…」
「いっそポケモンリーグごと買収、強制に解体させてはどうかね?」
「そんな大事にはしたくない…マスコミがうるさいからな」
去年…ロンギヌス邸に侵入した組織、貴重生物管理部。
それを裏で支配していたのは、彼らバイオリック社の幹部らだった。生命工学の最先端を行く、世界トップクラスの会社…いや、もはや
財閥と言ってもおかしくない。
そんな栄光に輝き続けるバイオリック社の目標・・
それがリーグを住処としている、ムゲン竜レムリアなのだった。
「ところで…バビロンの培養はどうなっている? もう完成したのだろう?」
「バビロン一号も二号も…全ての試験体は死んでしまった…三号機は大丈夫なのだろうな?」
「育成システムは最新のものを使用しています…今のところ問題はありません」
バイオリック社の地下で培養している人工の竜・・バビロンは、彼らの切り札だった。
まだ幹部になったばかりの社員が、そっと手を挙げる。
「あ、あの…バビロンはいったいどう使う気です?」
聞くのは愚かだとでも言うように、他の幹部らはクックッと笑いだした。
「決まっているだろう…? 目標『レムリア』の確保。そしてチャンピオンが隠し持ってる…T5メモリの設計図だよ」
「左様、我が社はガイアメモリに関しては著しく無知だ」
「だからこそ入手するのだ…例え、部下300人に代えてでも…」
企業として上を目指すあまり、とうとう犯罪にまで手を染めようとしているバイオリック社。
その真実を目の当たりにした新入幹部は、ゴクッと生唾を呑んだ。
<2011/05/15 12:51 ロンギヌス>
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