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『運命』の記憶
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− 最後の手段 −
「マスター怪我は?」
「いや…今回はお前のお陰だな。感謝しとかないと。」
「…そっか♪」
メモリケースを手渡し、カイオーガはニヤッと微笑んだ。辺りには無残な姿のフルーツが飛び散って、床には果汁がユニークな絵を描いていた。換気扇の羽もへし折れ、恐らくこのキッチンは使えないだろう。
修理費の予算が下りるかどうか頭を抱えながら、ロンギヌスは立ち上がった。
「ラティオス、レムリア、生きてるか?」
「一応大丈夫です。ミックスオレ飲んだら治りました。」
「私も平気よ…ごめんなさい、役に立てなくて…」
「お前を護ってんのに役に立ってもらっちゃ困るだろw
出来るだけ戦闘は避けるようにな。」
「…分かったわ。」
そして一行は、リーグの中枢とも言える、クォーク司令室へ
向かう事にした。理由はもちろん、最も警備が固い部屋だからだ。
レムリアを守るには、ある意味、最適かもしれない。
==========
「バビロン様!! 申し訳ありません! 奴らを取り逃がしました…」
「…もういい、行き先は?」
「監視カメラの映像を盗んだところ、当リーグの最上階…
中央司令室へ向かっているようです。」
「よし…誰でもいいから10人程、そこへ行け。」
バビロンの隣にいた数名が、我先にとリビングを飛び出していった。彼ら
が張り切っているのはもちろん、昇級のため。賞金首4人を捕らえた手柄
など、そうそう手に入らない。
「さてと…不要な部下は切り捨てるのが一番だが…」
部下たちが全員出ていった後、バビロンはさりげなく呟いた。
そして瞳を閉じ、意識をクォークに繋げる。リーグの全てを司る
OSに侵入し、今度は何を企むのか…
「最後に役に立ってから…散ってもらおうか。」
広いリビングに、ぽつんと悲しく立ち尽くすバビロン。再びクォークへ
のハッキングを開始し、防壁を次々に破っていく。そしてついに彼の
意識は、こう記されたデータにまで辿りついてしまった。
『ポケモンリーグ 自爆システム』
(POKEMON LEAGUE SELF-DESTRUCTION SYSTEM)
<2011/06/13 23:54 ロンギヌス>
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