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rain tears -心の涙-
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− 人喰いの牙 −
すっかり、日も落ちて辺りが静寂に包まれる中、
家にはトレゾアとソーマだけが残されていた。
フローラは仕事≠ニ言う、人喰いに出かけている。
その本人が帰ってくるまでの子守りとしてトレゾアは残されていた。
「お姉さん……誰?」
「あの狼姉の知人だ。特に悪い者ではない」
「本当……?」
「本当だ」
トレゾアは密かにある思いを抱いていた。
この仔を喰いたい
どう見ても肉は柔らかそうで牙を立てたならば存分に楽しめそうだ。
そして、どことなく飼っている子供に似ている。
その子供ではないので、
正面から言ったとしても拒否される。
その為に様々に思考を巡らせていた。
と、その静寂に音が零れた。
空腹時によく鳴るあの音だ。
「お腹減った……」
「何か作ってやろうか?」
「本当?」
トレゾアは無言で肯定し、席を立つ。
台所につき、慣れた手つきで調理を開始した。
「お姉ちゃんは何者なの?」
フローラと同じ様な黒法衣を身に纏って調理するその姿。
それがソーマには気になったようだ。
「特にない。ただの知人だ。先程も言っただろう?」
他愛もないやり取りの間に料理が出来上がる。
「わぁ……オムライスだ♪」
「ゆっくりお食べ」
<2011/09/13 23:35 セイル>
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