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rain tears -心の涙-
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− 崩れる偽り −
・グロ注意です
「狼姉……どういう事なの?」
ソーマにはいずれ知られる事だった。
私の正体人喰い狼魔女
町に出た帰りに討伐隊によって知られてしまった事実。
「人喰いの貴様が人間の面倒を見ているとはな! 皮肉だなぁ!?」
「ソーマ。好きなだけ軽蔑してくれても構わない。今だけは私の側から離れるな。死
にたくなければな」
しかし、返事はなかった。
あまりにも驚愕の真実に理解も反応も出来ずにいるのだろう。
できれば知らせず、知られずに過ごしたかったが。
もう決別の時は近い。
この際だ。この仔に全てを曝け出そう。
パン、と乾いた銃声。火薬の匂い。
飛翔する鉛を紙一重で躱すと、身を低め肉迫する。
「ひっ……」
最も間合いに近い人間の喉に食らい付く。
牙が喉を捉え、鮮血がじわりと流れ始める。
ほっとけばこのまま死ぬだろう。
グジャッ……
せめてものの情けだ。
力任せに喉笛を喰い千切る。
深紅の鮮血が返り血として顔に、体に降り注ぐ。
返り血を被り、なお、紅玉は妖しく煌めく。
ソーマがいる前だと言うのに、
戦闘欲求が激しく猛っている。
戦いが……楽しいと。
狼が吠えている。もっと、血肉を喰らいたいと。
■作者メッセージ
いよいよ
終盤に入ります〜
<2011/09/22 21:28 セイル>
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