[1]
TOP [2]
感想
[3]
RSS
rain tears -心の涙-
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
25 26
− 弾ぜる花弁 −
私は手をかかげ、光の障壁を解除した。
それと同時に、重たい雲が雨を吐き出し始めた。
ソーマに歩み寄り、翼の翼膜を屋根代わりにしてやった。
雨は私の心だけを強く打ち付ける。
「……恐いか?」
「……………」
返事は無かった。
当然だろうと思った。
世話をしてくれる私は自分らを喰らう怪物だったのだから。
そんな真実を突きつけられてすぐに答えを出せる筈が無い。
「あなたは……狼姉なの?」
「そうだ。フローラ・ライオット・レーゼ」
「……そうだよね……間違ってない……狼姉だもんね」
今日は寒い。
翼膜で覆うように被せてやる。
雨に打たれでもしたらきっと風邪を引いてしまうだろう。
こんな怪物に看てもらいたくはないだろう。
「雨が止んだらどこかに行くと良い。お金はそのままやる」
「狼姉は……僕を食べる気だったの……?」
「そのつもりはない。 嘘に聞こえるだろうな」
言葉では何とでも取り繕える。
もちろん、始めからそんなつもりは無かった。
ただ、誰かと一緒に居たかっただけだった。
かつてのように日々を過ごしたかっただけ。
この仔と……ソーマと一緒にいたいと思っただけ。
「ソーマ」
■作者メッセージ
あと・・・二回で
完結かな?
<2011/09/26 09:39 セイル>
▼作者専用
[1]
TOP [2]
感想
[3]
RSS