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rain tears -心の涙-
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− 表と裏 光と影 −
腰辺りまである長髪を結っていく。
結うのは既に慣れて鏡を見たまま感覚で出来る。
「ぅん……ん」
どうやら仔が起きたようだ。
「もう、起きて大丈夫なのか?」
「……お姉ちゃん……誰?」
「生憎、名乗る名は持ち合わせていなくてな」
髪を結い終わり、椅子から腰を上げる。
服掛けから黒い法衣を取り、それに身を包む。
「お前は村の者だろう? さっさと帰れ」
私は淡々と言い放つ。
あまり言葉を交わすと情が移って面倒になる。
「……」
「……私は仕事に行く。それまでここにいろ。いいな」
「……うん」
やはり、こうなるのか。
薄々拾った状況である程度は察する事が出来たが……
そうなるとは予想外だ。
あとは魔銃をポケットに忍ばせる。
この魔銃は銃としては使えない。
魔術の媒体を射撃し、遠隔魔術を可能とするものだ。
「腹が減ったら、その辺を漁って喰え。料理が出来るならやっても構わん」
私も料理は出来る。
ただし、面倒だからやらない。
それならその辺に転がっている物を喰った方が早くて楽だ。
……辺りに邪魔な程湧いて出て、秩序に関係ないもの。
人間をな。
<2011/08/30 10:07 セイル>
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