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バベルの塔
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− 三匹の守護者 −
すね」
ラティオスが影の薄い自分に絶望しながら、割れたガラスの破片の海を飛び越えて入ってくる。
彼が外から撃った「冷凍ビーム」は、水の竜巻を完膚なきまで凍りつけ、ただの氷のアートに変えていた。
「…….とんだ邪魔が入った…全員ついて来い!!」
ロンギヌスの耳に、ブースの叫びが飛び込んできた。
逃げられる。とっさにそう悟ったが、この距離ではどうしようも無い。
裏カイオーガ、アルセウス、ゲーチス、そして幹部男も、素早い逃げ足で彼の後に続いた。幹部男がしんがりを務め、ドアを閉じようとした……その時。
「逃げんなッ…!!」
「う、うわぁあああ!!」
カイオーガ同様、肉厚な舌がギラティナの口から這い出る。踝にシュルッと巻き付かれ、幹部男はバランスを失った。無残にも顔を床に打ちつけ、ギラティナの元へと引きずられていく。
「ちょっやッ……た、助けろ…おい!!」
「……………すまぬ…」
彼の前を走っていたアルセウスは、生みの親のSOSを土壇場で拒絶した。その上ドアをぴしゃりと閉め、外から念力で鍵を掛ける。いや….というよりグチャッという奇妙な音とともに密閉された。
「お、お前達……なぜ私をぉ…!!」
「さぁ…君に飽きたんじゃないかな?」
ギラティナの鋭い眼光が不敵にほほえむ。幹部はズルズルと蛇のような舌に足を引っ張られ、いつの間にか彼の目の前に連れてこられていた。ぶにぶにした舌先が、細い踝にきつく張り付いている。
「ねぇ….僕のために逝ってくれるよね…?」
「あ…ぁぁぁッ!!! ヤメテ……」
脚を押さえられ、効果的な抵抗は何ひとつ出来ない。幹部男は舌の力だけで、高い位置にある彼の口へと引っ張られていた。視界が反転する中で、ラーメンのように啜り上げられる感覚に酔う。
「なぁ……なんなんだよお前は…!!!!」
「ギラティナ……それ以外の名前は持ってないよ」
「やめろ……は、離してくれぇ…!!」
足先から膝にかけてが、妙に温もりに覆われた。舌肉の背筋が寒くなるような熱が、下半身のあちこちを這い回っている。足裏をコチョコチョと蹂躙され、着実に呑み込まれていく自分の体。
「あああ……ぁぁぁぁ……」
「いいねぇ…君の断末魔。ますます食べたくなっちゃうよ…」
しかし今さら、絶叫を起こすような気力はなかった。味方や社長に捨てられた気持が、負担となってのし掛かっていたのだ。そうして躊躇している間に、すっかり胸まで彼の口の中………布団から顔を出したような気分だ。
アムッ……にゅりゅ….
「フフ….もういいかい?」
「ぅだ……い、いやだ……いやだッ…!!」
もはや宙吊り状態で食われているので、次第に頭に血が下りてくる。目が合い、命乞いの視線を送るが、カッと見開いている瞳孔が、それを受け付けることはなかった。
…ゴクン……………♪
「……ぎゃゃ……」
軽快にすら聴こえる嚥下の響き。ギラティナはバビロンが大苦戦した相手(正確には違うが)を、あっさり胃袋送りにしてまった。彼の胸に走っている赤と黒のラインが、交互に膨らみながら腹へと向かう。
「…ぅぶッ……何だこれ……」
突然ギラティナが顔をしかめる。胃袋からこみ上げてくる「何か」に、吐き気を催しているようだった。唾液の糸がタラ〜ッと床に落ちた後、彼の口から異物が吐き出された。
ガチャン….コロコロ………
「な、なんだ……こりゃ?」
彼の胃袋から出てきたという事は、呑み込んだ幹部男の持ち物
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