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バベルの塔
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− 雨の中で −
沈黙モードへと入っていった。
しかしそれとは逆に、胃壁は好奇心旺盛な子どものように、ぶよぶよとした肉壁を擦り付けてきた。上下左右から迫る壁にプレスされながら、悲鳴の欠片も漏らすまいと口を閉じる。こんな状況にも関わらず、何故か命よりもプライドが優先されたのだ。
ーーーー四十分後。
ンチュ….むにゅむにゅ…ゴポッ….
「クッ…あっ……ぬぅぅ…ぅ…!!」
湿気と熱気が充満している中で、ムチムチと弾力ある肉に締め付けられる。
体力が
「くっ….お、おい….ルギ….ぅ…」
顔を覆うベッチョリした唾液を拭おうとして、その手が同じ液にまみれているのに気付く。粘着性バツグンの唾液は戦闘スーツの内側にまで侵入し、生ぬるい温もりを直に肌に伝えてきた。
さっき無駄だと分かっていても、命乞いの一つでもした方が賢明だったかもしれない。今ではルギアの名前を何回呼んでも、話には応じてくれなかった。
ところが粘液の混ざりあう音の合間を縫って、胃壁の向こうからの会話が耳に飛び込んできた。
………あれ、ルギアまだ消化してないの? あの筋肉マン。
…ああ….いや、これからするさ。どうせもう寝ているだろうしな。
「まだ起きているぞ!」と叫ぶ気力もない。それに言っても甲斐はないだろう。
肌がヒリヒリと焼けるような痛みを感じた。
…なんでわざわざ寝かせたのさ。
…….フフ、自分に理解させてやるのが良いと思ったからだ。なぜならあいt….は………ってい….あ…….じ…
ぬちゅ、もきゅ…!!! メコリ、ぼむっ…!!!
すぐに、次第に大きくなってくる胃袋の中の音に掻き消された。言うまでもない、消化が始まったのだ。
粘着質な唾液とは違い、サラサラと分泌される黄色っぽい液体。胃酸。胃液。
トロッ…...じゅぷじゅぷ….ヌムッ…
普通なら瞬く間に消化されるのだが、皮肉にも絶対に触れたくないとまで思っていた唾液によって時間は稼がれていた。
唾液プールによって出来たてホヤホヤの胃液は薄まり、中和される。
しかしそれも時間の問題だ。一定量を超えればあっという間に唾液プールの効果は無くなり、自分をドロリッチにするための作業が始まる。
「…ハハっ……結局同じ死に様か….」
次第に薄れていく意識を、わざわざ覚醒させるようなことはしない。
ぬるい胃液がポタッと顔に落ちたのを合図に、ゲーチスは目蓋を下ろした。
ーーーーなるほどねぇ….おや、いつの間にかお腹ヘコんでるじゃん。
ーーーーフフ………………
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■作者メッセージ
最近過疎っぽいですね〜…ここ。(見てくれる人は相変わらず居てくださるんですが
<2011/11/18 23:41 ロンギヌス>
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