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バベルの塔
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− 繋がらない方程式 −
言も書かれていませんでした。だからもしかして……」
「だ、大丈夫だろ! 設計図は別の紙に書いてたのかもしれないし….それに、自分が撒いたウィルスの海に飛び込んだら自分も汚染されることぐらい、あいつなら計算できるだろ!?」
「そ、それは….そうですけど……でも絶対とは…」
「いいから早く出発しよう。ここで時間を潰してちゃ、バビロンがどうこう以前の問題だろ」
ガチャン!!!! バラバラバラ…
ギラティナの驚きと、ロンギヌスの落胆のため息が交差した。ギラティナの背中にしがみ付くはずが、勢い余ってメモリケースをぶち撒けてしまったのだ。色とりどりのメモリが、アスファルトの地面に降り注ぎ転がる。
「あれ….マスター、メモリ全部持ってきたんですか?」
「あ、当たり前だろ! 何が起こるか分からないし…」
「ちょっとそれ、拾わないでください!」
「足りないや…….」
「何が?」
「マスターのメモリは26本。でもマスターが今転がしたのは25本。明らかに一本足りませんよね」
「いーち、にーい、さーん………あッ、本当だ!」
カイオーガもそれを数え直し、ラティオスの発言が間違いではないことを証明する。つまり考えられるのは、来る途中で落としたか、出発前に無くしたかだ。
「ちっくしょう….もう拾っていいか?」
「え? ええ……」
「もうこれ拾ったら出発しよう。流石にそろそろバビロンに追いつかないと」
手早くメモリを回収すると、ロンギヌスは再びギラティナの背中に乗り込んだ。その後、彼の指示でギラティナは舞い上がり、上層階への近道をまっしぐらに飛んでいった。
ラティオスも沈黙したまま思慮深い顔を浮かべていたが、諦めたように首を振ると、翼を広げ後に続いた。
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←<2011/10/25 23:49 ロンギヌス>
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