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捕食旅館へようこそ 〜 ご主人様は肉の味 〜
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− 地獄の淵は、終わらない −
ぁ……ぅぅうっ……!!」
牙の隙間から漏れてくる光があるため、自分がどんな向きで
全身を舐め回されているのかは分かる。だが骨のように硬い
口蓋と、柔らかい蠢きを絶やさない舌肉……そして何よりも
喉の奥から噴き出てくる悪臭が、青年を狭苦しい口の中で悶
えさせた。
……ぬちゅぅ……ちゅぶッ……グポァ……
「ほう、随分と暴れてくれるじゃないか……それはもっと虐
めてほしい、というサインと解釈していいのか?」
「^66¥¥<€><V][]$@&¥/!!!!!」
悲鳴を上げようにも舌を口に突っ込まれて出せない。いや、
例えそれが無かったとしても、この悪臭の中、悲鳴のために
大きく息を吸うなど自殺行為もいいところだ。気絶してしま
うに決まっている。
「フフ……もっと塗りつけて差し上げましょうか? 哀れなご
主人様」
「だ……だm……やぇッ……て……!!」
下敷きになっている舌がグイッと持ち上がり、青年を軟口蓋
と呼ばれる柔らかい部分に押し付けた。上下から密着してく
る二つの肉塊に、青年は息も絶え絶えに呻くしかなかった。
やがてそんな圧迫責めから解放されると、バビロンは次の遊
戯を持ちかけてきた。
「フフ……なら最後にこういう遊びはどうだ?」
「は……ぁ……?」
返事をする体力は失せている上に、彼が何をしようとしてい
るのか見極める気力も無かった。巨大な舌がむにゅむにゅと
波打ちながら、青年の身を立ち並ぶ前歯の辺りまで送り込む。
もしかして出してくれるのか、と青年は淡い期待を寄せた。
が…………
「……言ったろう? 甘えるなと」
「んぅ……!!?」
青年は横に倒され、バビロンの上下の前歯が背になるように
寝かせられた。背後からは、希望にも思える外からの光が微
かに漏れてきている。しかし喉の方を見た瞬間、青年はバビ
ロンの狙いを把握した。
「お、おい……!! そんな……!!」
「あまり身を固くしない方がいい。圧死するかもしれないか
らな……フフ……」
バビロンは喉の奥にまで引っ込めていた舌を、巨大なパンチ
ングマシンのように青年にぶつけてきた。しかし彼の背後に
は巨大な歯が生え揃っているため、青年がその衝撃で吹き飛
ぶことはない。その代わりに、凄まじい圧力とともにぐりぐ
りと舌を擦り付けられる。
ぐりゅぐりゅ……にゅちゅ……っぷ……
「うわぁぁッ!!!! ああっ……ぎぅぅぅ……!!!」
舌と牙の間に挟まれ、青年は逃げるスペースもないまま無慈
悲に弄ばれる羽目となった。悲鳴は、頭に密着している牙に
跳ね返った。
……そして10分後、ようやく「口内」での処刑が終わりを迎える。
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←<2012/05/25 18:40 ロンギヌス>
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