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捕食旅館へようこそ 〜 ご主人様は肉の味 〜
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− 進撃!! 女湯 −
持ち上がり、内臓が背中の方へと置いていかれる気がした。
生々しい口蓋にグリグリと押しつけられるが、痛いはずなのに口から飛び出すのは歓喜の呻き。
レウスのときもそうだったが、こうまで巨大な竜の舌で弄ばれると、人間がどんなに小さな存在か思い知らされる。
ンジュッ…とぷっ….
しばらくしてその圧迫感から解放されると、一旦レイアの舌に振り落とされたが、すぐに上から肉布団として被せられる。
世界一大きなゴムまりに潰されているような感覚だ。いやそれも大きさだけでは無い。
程良い力加減、柔らかさ、溺れない程度の唾液・・どれを取っても最高峰だった。
そんな理想郷のような空間で過ごし、リオレイアの唾液にまみれた後は、恥ずかしながら女湯のシャワーで体を洗い流す。
奇跡的に人間の女性客はいなかったが、雌のモンスター達のクスクス笑いの中で垢を落とすのも、充分すぎるほど赤っ恥だった。
レムリアはあくまで他人を装うとしているのか、ロンギヌスとは離れた席で静かにお湯をかぶっていた。
「あ、あの〜リオレイアさん、ちょっと相談が….」
「あらなぁに?」
男子高校生が女湯の暖簾(のれん)をくぐって出てくるのを見られたら大問題。
おまけに服は男湯の脱衣所にある。
その旨をリオレイアに伝えると、彼女はニコッと笑って翼を差し出した。
「ふふ…どうぞ」
「い、いろいろとありがとう…」
赤い保護色の翼に乗っかると、レイアは湯舟に浸かったままで俺を竹柵の向こうへと下ろしてくれた。
今更だが、こんな男女区別の柵を設けても、彼らには何の意味もない気がする。
「あっ、マスター帰ってきましたね」
「きゃ♪ それも真っ裸で♪」
「やっ、喧しい!! もうさっさと出るぞ、湯冷めしちまう!!!!」
念願のタオルケットを腰に巻いて、ガラガラと水滴に覆われた戸を引いた。
湯気に満ちた屋内に入りたいのは山々だったが、レウス夫婦に礼のひとつも言うため、カイオーガ達を先に行かせる。
…..クチュッ….ぬぷ….♪
突如として、背後から熱烈なサウンドが耳に飛び込んでくる。
ロンギヌスが反射的に振り返ると、レイアとレウスが竹柵を乗り越え、唇を糊づけしたように重ね合わせていた。
「んっ……ふふ…♪」
レイアの空色の瞳が数秒だけこちらを向き、パチリとウィンクしたように見えた。
「あ、どうも…..」
それ以上彼らの時間を邪魔したくはないので、一礼するとすぐに戸をぴしゃりと閉めた。
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←<2012/03/12 03:44 ロンギヌス>
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