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捕食旅館へようこそ 〜 ご主人様は肉の味 〜
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− 愛か食欲か −
た。
しかもそれを最後に、バビロンとの会話の糸は切れてしまった。
個室と化した胃袋の中で、孤独に肉壁とのスキンシップを受け続ける。
「…..大好きって…..あいつも大胆というか…何というか…」
修羅場を一緒にくぐってきた大切な仲間である以上、当然バビロンは嫌いではない。
だが悪戯とはいえこうも直球的に言われると、妙に気恥ずかしくもなる。
気がつけばロンギヌス度肝を抜かれ、悪臭さえ気にならなくなっていた。
むしろ真正面から言われたことで、ロンギヌスは彼に対する愛情が湧き出るのを感じた。
そして目前に迫る胃壁にもっと愛撫されたい、ズブズブと沈み込みたいという、性欲にも似た欲望に駆られる。
くちゅッ….ぶよっ…とぷん….
「…っぷ…..もっとやれぇ畜生….」
そしてそんな願いに呼応するように、胃壁の隙間がグボッと口を開けた。
被食フェチにとってそこは、左右からの肉壁の密着を味わえる理想郷。
ロンギヌスは欲求にブレーキを掛けようともせず、その奈落のような暗い谷間に呑み込まれていった。
しかし曲がった針金のような彼の性格を考えれば、すぐまた臭いがプンと鼻を突くようになった。
「….あ、大好物ってことね」
バビロンの「大好き」の意味をを導き出した途端、ロンギヌスの心の風船は儚く萎えていった。
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←<2012/03/12 03:48 ロンギヌス>
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