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捕食旅館へようこそ 〜 ご主人様は肉の味 〜
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− 新事実 −
らかくなっているマスターの頬に、彼の強烈な平手打ちが飛ぶ。
本人曰く、"朝のスキンシップ"らしい。
「起きろ、いつまで寝るつもりだ。もう10時過ぎてるんだぞ」
えっ、と叫んだカイオーガの目が壁の時計に走った。7時30分ちょうど。
どうやら寝坊助を起こすには定番の、ウソの時間を教えるという作戦らしいが、相手がロンギヌスでは効果が薄いようだ。ウーンと微かに唸っただけで、すぐにまた鼾をかき始める。
「起き…ませんね……」
「ボクのお腹が気持ちよかったんだよ、きっと♪」
「大丈夫だ、問題ない」
バビロンはロンギヌスの耳元に顔がくるように寝転がった。
よからぬ事を企んでいるのか、ジャンクフード好きには似合わない白い歯を見せている。
「ようマスター。相変わらずファンタスティックな寝顔だな」
「・・・・・」
「どのぐらいかって? そうだな……まあ、例えて言うなら…」
「・・・・・」
「思わずディープキスを決めてしまいそうなぐらい、かな」
ーーーガバッ!!
ロンギヌスはゴムが弾け飛ぶような勢いで跳ね起きた。
嵐が去った後のような髪を急ピッチで整え、完璧な角度で敬礼のポーズを取る。
「皆さん、おはよう。今日も一日を有意義なものにしましょうね」
「……単純な人ね…」
「ああ、レムリア君。ご機嫌麗しゅう」
「麗しくないわよ」
呆れて肩を落とすレムリアの背後で、バビロンが得意げに笑った。
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十分後、ミロカロスが巨大なお盆を頭に載せて運んできた。今朝は和食らしい。
アジと納豆とアツアツの味噌汁、そして湯気が立ちのぼる白飯。
ギラティナが唾を呑む音がした。
「おはようさんどす〜♪ 熱いうちにおあがりやす」
朝っぱらから爽やかな笑顔だ。
ロンギヌスはカイオーガの体液で硬くなった髪をほぐしながら、彼女に対する尊敬の念が生まれるのを感じた。
ミロカロスは食事を各自の前に並び終えると、カイオーガの方を向いた。
「そう言えばあんさん、クルーザーの予約入れてくださりましたよね」
予想だにしなかった発言に、ロンギヌスはワカメが気管に入りかけた。
ゲホゲホとむせ返りつつ、カイオーガを問い質す。
「ク、クルージングっておい…..お前いったい何時の間にそんな予約を…!!?」
「えーっと…..昨日かな。日常に刺激を加えようと思って♪」
「刺激って….....」
そしてロンギヌスは重要な点に気づいた。
おそるおそるミロカロスを振り返り、震える唇で問いかける。
「あ、あの…..お値段の方はいったい如何ほど…」
「ふふ….….消費税込みの後払いで…」
ミロカロスは首を傾げ、にやにやと口元を吊り上げながら価格を発表した。
「0円どす」
「えっ….タダ?」
「ええ。おたくは招待券をお持ちですさかい、貸し出しは無料どす。一般なら10万円は頂きますが…」
「う….あ、あなたは天使だぁぁぁ…!!!」
感極まったのか自分でも訳が分からず、ミロカロスの人間さえ丸呑みに出来そうな巨体をがっしりと抱き締める。
最高にむっちりした肌に頬ずりすると、サービスでキュッと緩く巻き付いてもらえた。
このまま獲物のように呑み込んでもらえたら、本気で昇天してしまいそうだ。
「ふふ….随分と素直なお客さんやねぇ….あんさんらも手焼いてなさるんかいな?」
「「「どうぞ持って帰ってください」」」
「ついでに処分してください」
ラティオス達が呆れ果てようが知ったことじゃない。
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