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狼と狐のち日常
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− 『菫が呼んだような……気がした』 −
面倒な事になりおった。
今は門横から離れ、森奥。
東雲からつけられた’走獣証’が耳に引っかかり
下りてこぬ。
それじゃから、衛兵に問い質され面倒な事に
森奥に逃げる事となった。
しかし、衛兵もしつこい事にここまで
完璧に追跡しておる。
流石に……このままじゃと東雲の買い出しが終わったときに
合流できぬかもしれぬ。
人は喰うなと言われておるが……仕方あるまい。
「お主よ……覚悟は出来ておろうな!」
加速を止め、各脚で減速しつつ地をすべりながら
体勢を反転させ、衛兵に向かい直る。
出鼻を挫かれる衛兵、生じる隙。
すかさず飛びかかり押し倒し、自由を封じる。
獲物、確保じゃ。
「ぐあっ!?」
「まずは身ぐるみを剥がさせてもらおう♪」
鎧に牙を入れ、脱がす。
脱げない部分は噛み砕いてやる。
意外にもスルスルと鎧は抜け落ち
数分もかからずに身ぐるみを剥がしてやれた。
「まさか……止せ……」
そこで衛兵は、自分が儂に喰われる事を悟ったようだ。
大した勘じゃ。東雲に見習わせたいの。
強大な捕食者を前にし、揺るぎない事実に
体を震わせ、表情が慈悲を求めている。
しかし、残念じゃが
ここで止める訳にいかんのじゃな。
東雲じゃと消化できぬし、よく見れば美味そうじゃし……
最近、本格的に味わっておらぬしの。
「儂のおやつになってもらうからの♪」
前脚で両腕を強制的に開かせ、その上に前脚を乗せ
上半身を押さえ、両足には尾を巻き付ける。
まずは胸板から儂の舌をじっとりと這わせる。
ぐちゃぐちゃ、と唾液が舌と擦れ
生々しい水音が漏れ、獲物の胸板を唾液に犯していく。
「や、止めろっ……喰うなっ!」
「五月蝿い奴じゃ……」
舐め回す度に変わる事無い運命に喚く。
最初こそ欲を満たす心地よい悲鳴に聴こえるのじゃが
次第に雑音に変わった。
黙らせる為に、たっぷりと唾液を纏わせた舌で
顔面を覆ってやった。
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!」
体をがたがた言わせ、必死に抵抗し始めた。
勿論、そう簡単に離してはやらんがな♪
最初こそ元気よく、くぐもった悲鳴を上げ
体を捩っておったものじゃが
次第に酸素が無くなってきおったのか
抵抗もなくなり、ぐったりとしておる。
鮮度の落ちた獲物は美味しくないからの♪
舌を口内に戻すと
衛兵の顔は唾液にべとべとに濡れ
疲労の色を浮べていた。
「はぁ……はぁ……っ」
肩で荒々しい呼吸を続け
抵抗の意志すら感じられぬ。
「ふふ……もっと穢してやろうかえ♪」
顎を引き、大口を開き内部を見せつけてやる。
短かな悲鳴を上げ、体がピクリと跳ねた。
見れば見る程、食欲をそそる体じゃ。
気付けば、過剰に分泌された唾液が
舌から滴り、怯える衛兵をぐちゃぐちゃに穢していた。
唾液まみれになり、地面と無数の糸を引く体……
この上ない香辛料を加えた獲物……
「もう我慢できぬ!」
「止めてくれっ!」
足先から下顎を上半身に向けて滑り込ませ
そのまま掬い上げる様にして全身を口内に収めてやる。
すぐさま、舌を絡めてやり
更なる唾液に犯しながら味を奪う。
「耐えられるかのぅ?」
絡めた舌を細かく蠢かせ、体中を舐め回す。
「あっ……んっ……やめっ……」
先程の抵抗からは想像できない
何とも甘い喘ぎを零し始めた。
捕食への恐怖から生まれる感情が
快楽に負け、屈した証。
それが儂に取って一番の至福を感じさせる瞬間。
「喘がせたし……味も飽いたしの……溶かしてしまおうかえ♪」
反論は許さず、すぐさま天を仰ぎ
喉の奥に獲物を滑り込ませ……
「ぁあぁぁぁぁ
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