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聖剣士黙示録
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− 胃液の試練 −
ビリジオンの喉の穴が縮み、ケルディオを呑み下したその後…
''グニュ…ネチャ…''
ケルディオ「わあああ!助けてくれーっ!!!」
食道の肉壁に揉まれるケルディオは助けを求めた。
しかし、助けを求めてもビリジオンには聞こえない。
それどころか、蠕動運動はより激しくなり、ケルディオが胃袋へ落ちていく速さはより速くなる一方だった。
食道を滑り落ちている時に、ビリジオンの心臓の鼓動がドクン、ドクン…、とはっきり聞こえた。
そして、噴門が見えた所で…
''グチュ…グニョ…ベチョ…''
ビリジオンは急に噴門に力を入れ、ケルディオを胃袋に入れる速さを意図的に遅くした。
勿論、ケルディオは…
ケルディオ「…痛い…。」
ケルディオに掛かる圧力は凄まじく、体全体に負荷が掛かった。
そして、頭から噴門を押しのけていく。
''グニュゥゥゥ…ベチャッ!''
噴門を抜け、ケルディオは比較的広いビリジオンの第一胃袋に到着した。
食物を発酵している臭いが鼻に付くが、ケルディオは我慢した。
ケルディオ「…ここが…ビリジオン…の…胃の中……なの…か…」
最初は真っ暗で何も見えなかったが、周りを見渡していくうちに、暗闇に目が慣れ、ピンク色の弾力性の高そうな肉壁が力強い鼓動の音に合わせて動いているのが解った。
更に足元を見渡すと、そこにはビリジオンが食べた木の実と体液溜まりが大量に散乱していた。
ケルディオ「朝一緒に食べた木の実だ。でもなんでこんなに少なくなっているのか…?あれ?」
目がより暗闇に慣れると、向こうには第二胃袋へ向かう穴が見えた。
ケルディオはそれを見てビリジオンの胃袋の造りを思い出した。
ケルディオ「そうか!ビリジオンには胃袋が4つあったんだ!としたら、第4胃袋で食べた物を消化しているんだ。」
そう思って安心していたその時だった。
''ジュゥゥゥゥ…コポコポ…''
何と第1胃袋なのに胃壁から胃液を出し始めた。
本来胃液を出すのは第4胃袋だけである。
しかし、ビリジオンの胃袋は高負荷時には4つの胃袋から胃液を出すことが可能であった。
ケルディオ「…やめろぉっ!!!」
ケルディオがそう叫んだ時だった。
ビリジオン「…今貴方が出来る範囲で力を使い、胃袋から脱出しなさい。」
ケルディオ(!)
ビリジオンの助言を自分なりに解釈し、ケルディオは力を振り絞って、噴門を蹴り始めた。
ケルディオ「これでどうだぁっ!」
しかし、一向に噴門は開かない。
それどころか胃壁を無駄に刺激させてしまい、胃液の分泌と蠕動はより激しくなった。
''ゴボゴボ…ジュゥゥゥ…''
胃液の濃度も増していき、ついにケルディオは足元に散らばっていた木の実をどんどん消化していくのを見てしまう。
ケルディオ「うわぁぁぁ…僕も木の実のように消化されちゃうのか…?」
すると、ケルディオの足元を消化し始めた。
''シュゥゥゥ…トロォ…グニュゥ…''
ケルディオ「あぁ!僕の蹄が!!!」
ケルディオはパニックになってしまい、胃の中を右往左往し始めた。
その間にもケルディオを消化しようと胃壁から胃液が更に分泌されていく。
その頃ビリジオンは…
腹部から痛みを感じ、吐き気も催し掛けた。
ビリジオン「うっぷ…。(流石にもう出した方が良いだろう。)」
ビリジオンは、お腹に力を入れた。
''グニョン…グニャ…ベチョ…ゴボゴボ…''
胃の中では
''グニャッ!''
いきなりケルディオに肉壁が襲い掛かって来た。
ケルディオ
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