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僕とお姉ちゃんの捕食日常日記
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− 作戦の交差点 −
「この本棚の中にまだいるはず……全部氷漬けにしてあげる♪」
ラストラはそう言うと空中に魔法陣を描いて氷魔法の呪文を唱えた。
「フローズン・マテリアル!」
カチンと音と共に本棚は一瞬にして氷の塊となり、僅かな冷気を放っていた。
「凍ってしまってかわいそうだから私が温めてあげる。」
バリバリ、バリッバリッ
ラストラは大きな音を立てながら氷の塊と化した本棚をかき氷を食べる子供のようになんのためらいもなく無邪気に食べていた。
一方、セルドンは自分の部屋にある本棚の裏にある隠し部屋でラストラが使っている水晶で宮殿の様子を伺っていた。
「お姉ちゃんは相変わらず、なんでも食べるよなー。この前なんてお皿ごと食べちゃったもんね。」
セルドンはそんなことを言いながらある本に何かを書いている途中だった。
「へへっ、この日記をサルファーに読ませたらびっくりするだろうなー。だって、この本の主人公は『○○○○○』なんだから…おっと、そろそろ用意しなきゃ。」
セルドンは悪人が浮かべるような黒い笑みを浮かべながら隠し部屋から自分の部屋に戻った。
「ちょっと散らかし過ぎちゃったけど、これも作戦のためだから気にしない、気にしない。でも、お姉ちゃんに怒られるから少しだけ片付けをしようっと。」
セルドンはそう言いながら自分の部屋にある本を隠し部屋に運んで言った。
2分後
「そろそろだね。あとはこれをサルファーの目に付きやすい場所に置いたら僕の行動は終了だね。」
セルドンはわざと机の上にある本を置いてから、また自分の隠し部屋に戻っていった。
「楽しみだなー。サルファーがどんなふうに変化するのかが。」
その頃、サルファーは本の中で登場する道具の中で何か使える物があるかどうか探していた。
「やはり、魔法学校が舞台となると道具が多いですね。でも、これはむしろチャンスと言ってもいいかもしれませんね……なんとしてもいい道具を見つけなければ。」
サルファーが本の中で試行錯誤している頃にはラストラは氷漬けとなった本棚を食べ終わっていた。
「おかしいわね〜。ここにサルファーがいるなら本から出てくるはずなのに…。」
「私は簡単には出てきませんよ。」
「もしかしたら別の部屋に行っているかもしれないわ。きっとそうよ!」
「残念ながらこの部屋にいます。しかし、そう勝手に判断してくれるのが一番ありがたいです。」
「一体どの本に入り込んだのかしら。この本棚は確か……魔法学校とその少年の話だったはずだからサルファーはほとんどの魔法が使えるはず…。」
「ご名答です。ではさっさとほかの部屋へ行ってください。」
「一番面倒なパターンになっちゃたわね。でも、ますます探しがいがあるってものね。」
「変なところで闘争心を燃やさないでください。一番困ります。それと、いい加減他の部屋に行きましょう。」
「ふふっ、それじゃあ鬼ごっこの再開をしましょうね。お二人さん♪」
ラストラはそう言って別の部屋に行き扉を突き破って鬼ごっこを再開した。
「ふう、やっぱり本棚の中に隠れようと思っていましたがどうやら暖炉の裏に隠れて正解でしたね。それにしても本を食べるとは少し懲らしめる必要がありますね。」
ドゴオォォォォォォン
「どうやらラストラさんは隣の部屋に行ったそうですね。それでは、僕はこの本から拝借した物を使いますかね。」
サルファーは本から拝借した盾の呪文グッズと透明マント、忍びの地図、おとり爆弾の4つの道具を持って部屋を出て行った。
「意外だなー、サルファーでも強気になる時
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