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しゃわでー ないと ふぃーばー ヒャッッホォォォオオォオイ!!
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− 文通 そして −
ろにまで来て、こんなことを書いていくなんて。
もしかすると、僕と同じような生活をしている似た者同士なのかもしれない。
僕は ほんの軽い気持ちで、
『こんにちは ぼくでよければ
おはなしあいてに なりましょうか』
そう書いた紙を、小さな木の箱に入れて 木の根元そばに置いた。
どうして僕もチョークで書かないかって、
だって 僕がチョークで書いたら、晩のうちに降る雨に流されて消えてしまうから。
次の日の朝、
僕はいち早くあの巨木へと駆けた。
相手の返事があるかどうかなんて、正直どうでもよかったはずなんだけど、
どうしてだか 胸の高鳴りが抑えられなかった。
……そうか、
生まれてから今まで、僕には友達や親友と呼べる仲間がいなかったんだ。
ずっと この平原で、お母さんと二匹で暮らしてきたけど、
寂しいなんて思ったことは一度もなかった。
だから、友達が欲しいなんて思ったことも……。
昨日 置いた木箱の中を覗いてみる。
入れてあった手紙はなくなっている。よく調べたけど空っぽだった。
でもその代わりに、木の幹には
『とっても うれJいです
おなたの おなまえわ なんですか』
と、新しく白いチョークで 返事が書かれていた。
文字は相変わらず間違いだらけだけど、
昨日の字よりも なんだか嬉しそうに感じる。
どうやら、イタズラではなかったみたい。
それと同時に、僕の胸の高まりは より一層強く燃え盛った。
初めて友達ができたような気がした。
いや、このときは もうすでに、
これからお互いのことを知りあって、もっと仲良くなりたいと思っていた。
「あ、そうだ、僕も返事を書かなきゃ。」
“お名前はなんですか?”
僕の名前……。
僕は……。
シャワーズの……、
『シズクです』
それだけ紙に書いて箱に入れた。
とりあえず、シャワーズという種族名は出さなかった。
『シズクさん
とても いいおなまえ ですれ
ぼくわ ハル っていいます』
『ハルさん
あなたも いいおなまえですね
このおかには よくくるんですか』
『はい
まいにち そおちょおに
ここで >つろいで いろんです』
『ほんとですか
ぼくも おひるまえに
まいにち ここへ きているんですよ』
『き>"うですれ
どおJて いままで あえなかったのでJょお』
『ほんとうですね
ぼくは あさはやくからは これないし
おひるからも やることがあって』
『ぼ>も そおちょお いがいわ ちょっと
あJたの よろおそくなら なんとか これそおです』
『あ きょうのよるは ぼく ようじがあって
これそうにないです
あしたの よるは どうですか』
『うーん
ちょっと むりそおですれ
でわ――――』
『――――ごめんなさい ちょっと――
――じゃあ――――』
『――あ そのひも ちょっと――――
――――えっと――』
※ ※
※ ※
そして今に至るというわけ。
もう名前で呼び合える仲にはなったのに 会えないなんてもどかしい。
彼の言うとおり、ホントに誰かがイタズラしているみたい。
思えば、初めて文通してから
もう1ヶ月も経とうとしていたんだなぁ。
「……あれ?」
彼のメッセージは、まだ右に延びて続いていた。
危うく見逃してしまうところだった、危ない危ない。
『でわ あJたのよろは どうでJょう』
「明日の夜……!」
明日の夜。まさか……、やった! 来れる!
ようやっとだ。運よく とくに用事もない!
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