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学校の先生
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「…………」
「ん?…どうしたの?」
いきなり優しくなったスイクンの事がどうも信用出来なくて、ただ黙っているカナに話しかける。
「…どうしていきなり優しくなったの?」
不安と恐怖が要り混じった中、ただその答えだけが気になった。
「……なんとなく?」
首をかしげてニッコリとカナの方を向く。その笑顔はどう見ても純粋で悪意が全く無い感じだった。
しかし、森中を探しても誰一人いなかった。シ〜ンと静まった森にたった二人しかいない。
「…みんな…」
赤い瞳から涙が流れ、頬を通りスイクンの背中に落ちる。それを感じたスイクンはカナの方を向き。
「大丈夫よ♪必ず見つけるわ♪」
慰めるように笑顔で言う。
「ありがとうね…」
次にスイクンは森を出て、学校の近くの広場に向かう。
「カナ!おーい!」
レシラム達は家の周りを探しながら何度も何度も叫んでいる。
「先生…カナは一体どこへ…」
子供達はレシラムに何度も問いかける。でもいくら問いかけてもわかるはずか無い。
「とりあえず学校の近くに行くぞ!」
レシラム達は学校に向かって歩き出す。
「着いたね…」
広場の中心には噴水があり、それを囲むかのようにベンチがおいてある。
スイクンはカナをベンチに座らせると、自分も地面に座り込む。
「ここにいれば誰かが来るかもね♪」
笑顔でカナを見つめる。
「ありがとうね♪」
次第にカナはスイクンの事を少しずつ信用していく。すると…カナはスイクンの頭を撫で始める。
「あ……ちょっと!」
赤くなりながらカナを見つめている。
「ふふ♪照れてるの?」
(この子♪本当は純粋で優しい子ね♪)
「……私も本当は友達が欲しい…」
スイクンは小さく小声で呟く。
すると…
「あ!先生!!」
遠くにバクフーンの姿がうっすらと見えてる。バクフーンはダッシュでカナに向かって来る。
「先生!………」
ズザァァァ…
「な…なんでスイクンがいるの?」
スイクンを見た瞬間、いきなり震えだし青ざめる。
「バクフーン…この子は…」
カナはちょっとオロオロとする。どう説明をすれば信じてくれるのか。
「えっと…その……つまり…」
「先生…ぼく信じます!」
「え?」
カナが予想もしてない答えが帰ってくる。
「先生はスイクンをみんなの友達にしようとしてるんでしょ!」
「え…あ……そ…そうよ。」
「なら♪ぼくは先生の事を信じます♪」
笑顔をカナに見せると…スイクンは次第に目から涙が流れる。
「本当に…友達になって良いの?」
「うん!友達になってよ♪」
過去にバクフーンとカナを襲ったスイクンはとても心が痛んだ。何故、あんな事をしてしまったのか…
「ありがとう…ありがとう…」
泣きながらバクフーンに抱きつく。
バクフーンもスイクンに抱きつくと優しく頭を撫でながら…
「ずっと友達だよ♪」
それをみていたカナは嬉し泣きをしている。
「スイクン…よかったね…」
「あ!カナ!」
学校に行く途中に広場に寄ったクルミは急いでレシラム達に知らせる。
「カナがいたよ!!」
「本当に!」
レシラム達は広場に向かって走り出す。
ダダダダダ…
「カナァァァ!!」
カナは横を振り向くとレシラム達がこっちに向かって走って来る。
「レシラム!みんな!」
ガッ…
「え!?」
あまり走りなれていないレシラムは小石につまずきカナに向かって転がる。
「のああぁぁぁ!」
ゴロンゴロンゴロンゴロン…
「え!?ちょっと!!」
ドガッ!
(どうなったのかは貴方の想像に任せます。)
「レ…レシラム(涙)」
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