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出会い
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「そういえばチビ助、なんで話の最中に倒れたりしたんだ?」
「そ、それは・・・、その・・・・。」
その話題を出した途端に、チビ助の様子が変わる。
目がキョロキョロと動揺が隠せず、ゼロンもその事に気づいた。
「なんか、言いたくない事でもあんのか?」
「・・・そ、その・・・。」
聞いてはいけないことでも聞いてしまったのか、罪悪感が内心の隅っこに抱いていた。
そんな中、チビ助は下に俯き口を閉じている。
「・・・まぁまぁ、俺が聞いてやらぁ・・・。ほら、言ってみ?」
「・・・・。」
ともかく、一番に思いついたのは優しい言葉をかけること。
結果は、見事に功を奏した。
「・・・実は、僕・・・、心臓の病があるんだ。」
「・・・・心臓がか?」
「うん・・・。周りから驚かされたり、激しく動いたりすると、心臓が一瞬だけ止まって、そのせいで気を失うんだ・・・。」
「・・・なるほどなぁ・・・って、俺の顔を見て気絶したってことは、それほど驚いたってことか?しかも二回もなぁ!?」
すると、さっきまで今にも泣きそうだったチビ助の顔が急に引きつった。
「・・・それは・・・初めてドラゴンを見て、それで・・・。」
「・・・まぁ、別に気にすんな。お前の気持ちも分からない訳ではないしなぁ・・・。」
「・・・・。」
ゼロンのその言葉の後は、沈黙が続いた。
木々の靡く音で周りが包まれた刹那、チビ助が口を割った。
「・・・あの、僕そろそろ行きます。」
「おいおい!そんな身体なのにまだ旅なんてするのか?」
「それは、大丈夫です・・・。じゃあ・・・・さよなら。」
「お、おい、待って・・・・」
ゼロンの言葉は通じず、呆気なく行ってしまった…。
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←<2012/10/14 17:04 きくズ>
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