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出会ったもの
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彼女の加虐心を煽っていく。
「腕と足が二本ずつある理由を知っているか?
それは片方無くなっても良いようにだ…!!」
そう言うと前肢に一気に力が込められる。
ボキッと何かが折れる音と少女の悲鳴が響き渡った。
腕から金狼の足が退けられると次は右足に。
今の発言と行動で何が起ころうとしたのか、少女はすぐに悟る。
けれど気づいても何も変わらなかった。
またボキッと痛々しい音が鳴り響く。
もちろん少女の声も一緒。
片腕片足が使えなくなった彼女の顔は涙でぐしゃぐしゃになっていた。
骨を折られた時は痛むのはもちろん、何とも言えない吐気まで伴う。
腹部で渦巻くそれを必死に堪える。
すると全身が震え、呻き声も漏れてしまう。
それ等が全てトレゾアの魔女としての心を満たしていく。
「フフ…逃げられるものなら逃げてみろ?」
そう言った直後に足が退けられた。
また体が軽くなったが、彼女を襲う手足の痛みは消えない。
けれど少女はまだ動く右手と左足で這うように動きだす。
服が汚れようが爪に土が入ろうが関係ない。
この魔女から逃げる事だけに必死になっていた。
しかし短い手足、しかも片方ずつで進める距離はごくわずか。
そんな彼女が逃げられるはずもなく……
「悲しいな、今からお前の言うババァの夕食になるって」
再び巨大な前肢の下敷きになってしまう。
そこへ吐かれた皮肉混じりの言葉に少女は戦慄した。
さっきまで御使いしていたのが、今では魔女の夕食。
逃げたくても動けない。
叫んでも誰も来ない。
絶望感に浸っていると、ブワッと生暖かい息が少女の頭に吐きかけられる。
いよいよ捕食に入るようだ。
「こっちを向け」
「えっ…んぶぶ!」
うつぶせに倒されていたのが仰向けに変えられる。
そしてすぐに舌がベロォ…と這う。
獣特有の薄い舌だが、そこから分泌される唾液は粘り気が強い。
顔を舐めただけで、不透明なスライムが顔を覆っているように見える。
息苦しさが続く中、味見は続く。
子供が好物とだけあって、それは執拗に続けられた。
爪で服を破られると、露になった素肌にも舌が這う。
くすぐったさに身を捩ろうとするが、しっかり押さえ込まれるせいで出来なかった。
あちこちに粘り気の強い唾液が絡みつく。
生暖かいそれが塗りたくられる度に少女は、くすぐったさに身を捩らせていた。
地面には唾液溜まりが出来る程の長い味見。
それが終わったかと思えば、また顔が近づけられる。
マズルと言われる獣の口元からは時折牙が顔を覗かせていた。
その中から、先程の舐め回しでの味を確かめているのかクチャクチャと聞こえてくる。
少女の味が美味しかったようで、ニヤッと笑う。
今度はハッキリと牙が見え、思わず少女は息を呑んだ。
グパァ……
そして大口が開けられる。
唾液で肉壁と牙は妖艶に光り、奥の肉洞は忙しく蠢いていた。
それに合わせ舌も早く喰いたいとばかりに蠢く。
生暖かい獣の吐息を浴びながら少女は言葉を失う。
今から起こる事全てが怖くて仕方なかった。
逃げたいと強く願うが、奇跡が起こる事はなく…
はぐっと頭から咥え込まれてしまった。
蒸し暑い口内に入るとすぐに舌が躍り出す。
唾液をたっぷり含み顔にベチャッと張り付く。
円を描くようにゆっくりと動くと舌は少女の顎の下、胸へと滑り込む。
力強く押し付けた為にぶにゅっと舌に少女の体が沈んだ。
それを利用し、舌は少女を奥へと引きずり込んでいく。
下手に動けば、腹と背中に食い込んでいる牙が肌を突き破るかもしれない。
そんな恐怖が少女の抵抗する気力を無
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