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ナナイロキセキ
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− う〜。誘拐してやる〜… −
『なるべく早く帰ってくる』
エシアはそう言ったが、まだ帰ってこない。
町のすぐ側の森に隠れていたら、穏やかな陽射しも手伝って、少しずつ眠たくなってきた。
まだ、帰ってこないだろうから、少し寝るか……
そう思い、目を閉じた。
その時だった。
「パニシュ〜。どこに居るの〜?」
聞き慣れた可愛らしい声が聞こえた。
…やっと帰って来てくれたか。
そう思い、森から出る。
私に気付いたエシアが、駆け寄ってくる。
あともう少しで触れ合える。
その時、奇妙な音が聞こえた。
ゴオォォォォ……
とても大きな風を切る音。
そして、目の前を蒼い物が横切って行った。
「きゃあぁぁぁぁあ!」
一瞬遅れて高い悲鳴が辺りに響きわたる。
空を飛べる蒼いモンスターなら、恐らくあいつだろう。
【何故、リオレウス亜種がエシアを……!】
理由は全く分からないが、空を飛ぶそいつは、エシアを拐っていった。
【クソッ…!】
大切なエシアを助ける為に、そいつの後を追った。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
謎のリオレウス亜種目線です。
【クソ……何故ここにジンオウガ亜種がいるんだ……】
あいつは凍土か火山にしか居ない筈。
まあいいか。
我は空。向こうは陸。
我が巣に着く前に見失うだろう。
それよりも、この人間をどうにかする事が先だ。
今頃、恐怖のせいで、何も出来ずに固まっているのだろう…
そう思い、人間を掴んでいる足の方を見る。
「うわぁ〜!高〜い!」
モンスターとの力の差を考えず、空からの景色を楽しんでいる。
…正気か?
そんな事を考えていると、下から声がかかる。
「ねぇ、私をこれからどうするの?」
やはりさっきのは強がりだったか。
しかし、その質問には答えず、真っ直ぐに巣を目指す。
もう、あいつの姿は見えなかった。
巣に着き、人間を放す。
そして、さっきの質問に答えてやる。
【お前は、我の復讐の為に死んで貰う。我はハンターに妻を殺された!ならは、我は人間を一人殺す!お前みたいな子供に、我の苦しみが………】
分かるか、と叫ぼうとしたが、出来なかった。
何故なら、
【お前……。何故泣いている……】
拐ってきた人間は、いつの間にか、静かに泣いていた。
「私も…人にお母さんを……」
そこから先は言葉に出来ていなかった。
そして、その人間は、突然歌い出した。
悲しみを打ち消すように。
■作者メッセージ
重い!
何でこんなに重いんですかね!
…僕のせいですねすみません。
サブ今回は一度使ったのをもう一回使いました。
少し工夫してあります。
次回、エシアちゃん本気モード!
<2012/12/03 20:19 ラムネ>
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