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ナナイロキセキ
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カニバスが上手く噂を流したのか、または別の理由なのかは分からないが、翌日、私達を訪れた者がいた。
…そいつは、人間だった。
白衣を着た、若い男だった。
そいつは、エシアを見て、ボソボソと話し始めた。
「また失敗したと思っていたのだが…。まぁいい。良く生きていた。エシア。…いや」
言葉を句切った男は、訳の解らない事を言った。
「…古代兵器、アリアよ」
訳が解らないのは、エシアも同じだったらしい。
キョトンとした顔で、男を見ていた。
「僕は、国の為に、兵器の開発をしていた。
だが、満足する物は出来なかった。
そして、情報を求めて文献を漁った。
すると、興味深い物があった」
一呼吸置く男。
エシアは、その話にのめり込んでいた。
「アリアと呼ばれる、人の形をした、魔力の塊。
そんな物があったらしい。
さらに、それは、少女に憑依するらしい。
僕は、それを一度見たくなった。
そして、世界にほんの少しだけいる魔力を持った人間から、魔力を貰い、少女に飲ませ、その魔力を餌にした。
すると、大体一日経てば死んでしまった。
だが、君は、もう一ヶ月も耐えている。
つまり…。君の中に、古代兵器が眠っているということだ」
長い話を終えた男は、好奇心が溢れた眼でエシアを見た。
「…私、あなたに会った事なんて……」
自分が『兵器』だと言われたエシアは、悲しそうな眼をしていた。
「君の歌手活動中に、魔力を混ぜたクッキーを送った。
…君は、特別な力を手に入れる前に、クッキーを食べている筈だ」
エシアは、しばらく考えて、思い当たるフシがあったらしい。
その時、泣きそうな顔をしていた。
「さぁ、僕に力を見せてくれ。
…アリア、起動」
一方的に話を進めた男の言葉を聞いた瞬間、エシアは、地面に倒れた。
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エシア目線になります。
ここは、どこだろう。
何も無い。有るのは真っ黒な闇だけ。
パニシュのお腹の中は暖かかったけど、ここは寒いなぁ。
「ここは…、キミの心の中…」
「…誰?」
後ろを見たら、私と同じくらいの背の高さの女の子がいた。
「ボクはアリア。…キミの中に呼ばれた『物』」
アリアちゃんはそう教えてくれた。
■作者メッセージ
補食描写書きたい!(自分のせい)
アリアは、少年ではなく、少女ですよ。
自分で書いたのに、科学者の消滅を願うという残念な感じに…。
<2012/12/06 20:18 ラムネ>
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