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硝子玉
01 02
03 04
− ブロック塀にはさまれて −
なんとか学校という絶対要塞を切り抜けた僕はいつもの裏道を通っていた。友達とは別の道だから大体ここは一人で通る。
二つの古び廃れたビルの間にありブロック塀に挟まれたその道は暗く、何より狭い。3人並んで歩けないぐらいだ。
それなのにあっちのヤクザっぽい3人はそのことを知りながら歩いてきた。
「いってぇなぁ!」
当然のごとくぶつかる。
「てめぇぶつかてきてんじゃねぇよ!!」
大体予想はしていたが...呆れることしか出来ない。
「賠償金払ったらどうだ!ぁあ?!」
〈その払うお金の入った財布は買い物以外持ち歩いていないものなんで...〉
そんなことを思いながらギャーギャー言っている横を通りすぎて行こうとする。
「おい、待てよ逃げる気かぁ?!」
大音量の声で言いながら僕の制服の袖を鷲掴んできた。
〈このままどこかのアニメみたいにうるさい!!って窓をガラガラって開けて怒鳴り散らしてくれればいいのに...〉
と思いつつ、ブロック塀に触っていた掴まれていない方の手を制服のポケット中に突っ込む。
「おらぁなんか言えよ...!?」
僕は何も言う気になれなるわけがなかった。
〈じゃあ久しぶりに彼に代わってもらおうかな...気が引けるけど。〉
そして何ひとつ言わず僕の体は変化していった。
手の爪は異様に伸びて鋭い鉤爪になり、
黒い制服からは鱗が出始め、
顔が細く伸び、頭から乳白色をした二本の角も伸びた。
そしてそこには僕の面影など何一つない腹は白く、背中は黒い鱗に覆われた竜が完成していた。
「う、うそだろ...」
「ド、ドラゴンだなんているわけ...な、ないだろ」
「やべぇってこれさっさとずらかるぞ!!」
〈うわ、凄い慌てよう、代わってよかった気もする。〉
心の中で薄ら笑いを浮かべる。
この姿の間僕は心の中でしか動けない。じゃあどうするのか。
黒竜は建物を壊さないぐらいのジャンプで3人組をガシリとしっかり捕まえる。
「待て。松田のやつが随分お前らの世話になったようだな...たっぷりお礼をせんとなぁ...クク」
この黒竜が言っているこいつとは僕のことだ。
〈こんなのにお世話になりたくないけどね。ってあんまりやりすぎんなよ...〉
そう、こいつ(黒竜)と僕は別物だ。なぜか命だけを共用している。
だからその姿の状態でないと自分の行動ができないし、万が一僕が死んでしまえばこいつも死んでしまう。
「ひ、ひぃ...た、助けて...」
〈なんだ、気絶してるやつもいるじゃん〉
「フン、口ほどにもないな。まぁ騒がれて人が湧くのよりはマシだがな...じゃあせっかくの我からのお礼だ。しっかりと受けてもらおうじゃないか...」
と言い、口角を少し吊り上げ不気味な笑顔を作る
そしてその巨口を少しだけ開き粘度の高い不透明で生臭い液体を気絶していないやつの顔にタラリと垂らす。
〈おいおい、ほんとにやりすぎんなよ...〉
「う、うわぁ!やめてくれぇ!」
「フ...お礼だといっているのに、黙って受け取れ」
やつの頬に垂らしていたのを移動し落下点をやつの口にした。今頃助けもとめ始めた口に無残に粘液が入っていく。
「!!...うぶぅ、げほっげほ!」
口に入り切れなっかたものがドロドロと湧き水のようにどんどん溢れ出ている。
「時間もないところだからさっさと終わらせようじゃあないか」
「げほっげほ!は、はやく離ぜよ!!」
「フン、何馬鹿なことを言っている。」
「はぁ?終わらせるんじゃねぇのかよ!」
「ククク...そうか、お前は終わることを望んでいるのだなぁ?ならば.
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