[1]
TOP [2]
感想
[3]
RSS
硝子玉
01 02 03
04
− 癖 −
引きずり、左腕は真っ白の三角巾で吊り下げている。
未詳の捜査員の当麻紗綾(とうま さや)だ。
このようなやつは世界広しといえど1人しかいないだろう。
「お前どこへ行っていたんだ?...」
2人の内、スポーツ刈りの方の男、瀬文焚流(せぶみ たける)はそう言い、鋭く睨み付ける。
「餃子っでニンニク増し増しです。」
毎日のように食べていて飽きないのか、こいつはもはや餃子脳らしい...
「仕事中でなんで食ってるんだ。」
そうだ、そこだ。まず仕事場を抜け出すのがありえない。なにかを探しにいったのっではないのか。
「なんですか。餃子食っちゃいけないって言うんですか?罪ですか?仕事中に餃子食った罪ですか?」
いつもこんな感じだ。こうなるとなかなか止まらなくなるのが当麻だ。
「まぁまぁまぁ...それより当麻君、なにか見つかった?」
2人の仲裁に入る白髪頭のいかついおじいちゃん、いやここの係長の野々村光太郎(ののむら こうたろう)は柿ピーをボリボリと食べながら聞く。
まずこの部署は頭のおかしいとしか思えない相談や、ハードクレーマーの無茶苦茶な苦情がたらい回しでくるのでそれをのらりくらりとかわすだけで捜査をする必要なんてあるのか。
「そだそだ、林さんも気になりますが...最近はニノマエが行動を始めたようです。」
いきなりふざけていた雰囲気が吹っ飛ぶ。瀬文はまだこのような転換に慣れていない。正直このような話についていったところで頭がおかしくなってしまいそうだ。
林さん(林実(はやし みのる))とは最近ここに持ち込まれた変な事件の容疑者なのだが、人に憑依するspecを持っていて、警視庁内で全国の林実に憑依すると宣言した厄介な容疑者だ。
こんな事件がたくさんくるとなると辞表を出したくもなるものだ。
「そうか...まぁ、捜査お疲れ山ね。」
係長まで意味ありげな顔をする。この人たちは一体なにがあったのか。一瞬関わりたくないと思ってしまう。
「それではもうそろそろ帰ります。」
こんな空気のなかにいると肺もどうにかなりそうだった。
「それじゃ私も。」
「お前は今日調べたことをまとめろ。」
こいつは何故帰ろうとするのか。本当に公務員なのか疑わしくなる。
「いやだなぁ、夜食調達ですよ。」
こいつの胃袋はブラックホールなのか、はたまた...
「それじゃあ瀬文くん、お疲れ山。」
「お疲れ山でした。」
こんなへんな部署にいるから、変なあいさつがうつってしまった。
―
今日のカレーはちょっと辛めだったような気がした。
なにもすることがない。
しょうがない...しばらく勉強するか...
そう思いながら最初に手に取るのは勉強道具ではなく、音楽プレーヤーだった。
「ふぁぁあ...ヤバい、眠くなっちゃった...まぁいいや、勉強あとで。寝よ。」
だいたいこうなる。いつものパターンの悪い癖だ。これではいけないと自分自身でもわかっている。だがそんな簡単に治ったら癖ではないだろう。
横にベットがあるにも関わらず、机に突っ伏して寝てしまった。
〈まだ我は人を喰い足りないのだが...まぁよいか...〉
[4]
←
■作者メッセージ
未詳組とかはあんまり影濃くしないと思います。
って中途半端な終わりかたですねこれw
すいません。
って1年前連呼してますw
あ、ちゃんと最後には全部わかるようにすると思います(←え
<2013/02/12 01:20 Mth>
▼作者専用
--------------------
[1]
TOP [2]
感想
[3]
RSS