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少女と怪物と猫鼬と兎達
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「ん…んん……」
しばらくして、二人が目覚めた場所は、大きな倉庫の中だった。
「ん…えぇいっ!」
起き上がろうとしたミナだが、手足を縄で縛られていて上手く起き上がれなたったようで、アリルも同じような状況だった。
「ねぇ、アリル…」
ミナがアリルに話しかけた。
その瞬間、
「ようやく起きたか。お二人さんよぉ」
「!?」「!?」
さっきの男が入ってきて、二人は同時に息を飲んだ。
「なに、取って食う様な事はしねぇさ。ただ、幾つか質問があるだけだ」
二人は、男の事を睨んだが、男は「元気で何より!」と言って流す。
「俺達の事を尾行してたって事は、お前ら、警察か何かか?」
その質問に対し、二人は答えを言わなかった。
すると、男は、
「…そうか。死にたいのか」
変わらぬ調子でそう言い、懐からナイフを二本取り出し、二人の首筋に当てた。
「…探偵をやっている。あと数人仲間がいる」
口を開いたのはアリルだった。
「ちょっと!アリル…!」
「お前が死んだら、あいつが悲しむ。…それだけは避けたいんだ…」
ミナがアリルを咎めようとしたが、次の言葉に何も言えなくなってしまった。
「仲間思いの良い奴じゃねぇか。じゃ、その仲間に、『助けて』って頼め」
そう言って男が差し出したのは、ミナの携帯電話だった。
「……わかったわよ…」
悔しそうに顔を歪めながら、そう呟いた。
すると、男はミナの手の縄をナイフで切って、それを元の位置に戻した。
プルルルル…。プルルルル…。
いつもの発信音の後、
ガチャッ。
『おぅ、ミナ、どうした?』
いつもの、のんきなザクの声。
「…ごめんなさい、お兄ちゃん。私達、捕まっちゃった…」
『なっ!大丈夫か!』
明らかに動揺するザク。
それに対し、ミナは、
「うん…。まだ大丈夫…。…お願い、助けて…!」
『分かった!直ぐ行く!場所は…』
ザクの言葉の最中に、男はケータイを取り上げ、
「そういうこった。早く来いよ、『お兄ちゃん』♪場所は町外れの倉庫だ。じゃあな」
『おい!テメ…』
ツー…ツー…ツー…
「ご苦労様。じゃ、助けが来るまでゆっくりしてな。じゃあな」
男は、ミナの手を縄で縛ってから、倉庫を出ていった。
「…これから、どうなっちゃうのかしら…」
ミナの呟きは、倉庫の壁に吸い込まれて消えていった。
■作者メッセージ
リズム天国はやった事ないっすね。
バンブラならやってますけど。
次、お願いします!
<2012/12/30 10:05 ウインド×ラムネ>
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