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太刀
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− りがい −
「・・・キャァァッ・・・痛た?」
私は何かに躓き、転んだ。
最初は、段差か何かかと思っていた。
しかし、よくよくみれば、それは大きな何かの塊。
布に包まれた・・・!?
「ちょ・・・しっかりしてくださいっ!」
布切れを少し剥いで見ると、それにくるまれていたのは男の人だった。
衰弱していて、少し危険な状態なのは間違いないようだ。
だけど、私の力ではどうにもならない。
グルルッ・・・
「!?・・・キャァァア!?ここ、来ないで!」
何かの唸り声が聞こえたと思い、後ろに目をやる。
すると、そこには緑色の体をした飛龍あ居たのだ。
その光景は恐ろしいとだけでは、表現できない。
グルル?・・・
「えっ?・・・な、何もしてこない?」
幾ら待てど、その龍は私に危害を加えてこなかった。
危害を加えるどころか、私が先程気にかけていた男の人が気になっているようだ。
もしかしたら、手伝ってくれるかも・・・。
「こ、この・・・男の人を、運んでくれる?」
グルル・・・
私が緑色の龍に頼むと、その龍は男の人に歩み寄り、器用に背中に乗せた。
もしかしたら、大丈夫なのかもしれない。
「こっちよ・・・」
私は男の人を治療するために、自らの家に連れて行こうと思っている。
龍も、私の思いを分かってくれているらしく、私について来てくれる。
これなら、男の人を助けられるかもしれない。
「・・・ありがとう、緑色の龍さん・・・もう、大丈夫よ」
グルル・・・
緑色の龍は私の言葉を理解すると、男の人をゆっくりと地面に寝かせる。
そして、何処かに目的があるのか、飛び去っていく。
・・・方角的に、クイートラス・スキーラの屋敷。
「よし、早く治療しなくちゃね・・・」
私は頑張って男の人を家に入れ、ベッドに寝かせた。
特に外傷があるわけでもないので、多分飢えなどによる衰弱。
「また、死体増えたわ・・・」
・・・おや?ゴミ処理が来たみたいだよ・・・
「え?・・・あれは、異国で知られるリオレイアかしら?」
・・・ヘリオスの差し金かもね・・・
「へぇ・・・あの緑色の龍に食べさせるのかな」
■作者メッセージ
今回新しく視点が増えましたが、その視点である彼女は、この話での【鍵】を握っています。w
<2013/03/11 12:37 ヘリオス>
▼作者専用
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