「オレは……アイツが好き…だった。」
「………」

「叩き潰してやりたいぐらいに………好き…だった。」
「………………」

「アイツもオレを………殺してやりたいぐらいに…好き……だったんだろう…な。」
「………………………」


「………」
「………………」
「………………………」
「………………………………」

「なぁ……」
「ハイ…………」

「丸呑み……って奴か?」
「そう…です。」

「頼みがある…」
「………」

「足から…でいいか?」
「かまいません……が。いいん……ですか?」

「頭からは…イヤなんだ。」
「いえ…苦しい。ですよ……いっそ…」

「いっそ…きつく絞めてヤるか?」
「………その方が…せめてもの。」

「オレは…子供の頃。ハブネークに飲まれた事があった…」
「え………?」

「その後、そのハブネークの方にも子供が居たらしくてな。
 そいつの餌…にされようとしたんだろうな。」
「………」

「オレは生きていた。毒の免疫があった事と目の前にそいつの子が居た事でな。オレは助かった。」
「………」

「まぁ…今度は死ぬ…んだろうな。」
「そう………です。ワタシは…アナタを……」

「気持ちよかった…んだ。」
「………」

「もちろん息なんか出来なくてな。死ぬかと思った。」
「だから……」

「どうせ…死ぬなら………腹の中で死にたい。」
「………」

「頼める…か?」
「分かりました。」

「ありがとう…」
「礼なんて…言わないで下さい!」


   *   *   *


でんじは―――


オレの体は麻痺をした。
既に動く事も出来ないが、暴れさせない為の用心か。
それとも…不快を味あわせない為の配慮なのか。

そして両足がハクリューの口内へ納められていく。
続けて舌だろう。
生暖かいソレが足を嘗め回して…徐々に。徐々に。
ハクリューの体の中へめりこんでいく。


ずるり…ずるり。


ペースは速く…尻尾の先が早くも中に収められる。
オレはこれから食べられる…にも関わらずとても興奮していた。
それもそうだ。
こんなに体中を舐められる経験なんて早々無い。

興奮を収めようにも収まらず。
それを覚めさせぬように感じるほどに激しくハクリューの舌は下半部を嘗め回してくる。


ずるり…ずちゅ―――


ついにオレのカラダの上半身が収められようとしていた。
以前と興奮は覚めやらぬ…
そして…問題が発生した。
片方の腕が口内に収まらずはみ出てしまったのだ。

もうここまで来たら抵抗するという行為は頭の中から外れていた。
どうにか麻痺をして自由が利かない腕を押し込めようと足掻く…

それに合わせてかハクリューの舌もその腕を引っ張るかのように手助けを始めなんとか収まる事になった。
これでもう…オレは呑み込まれるだけになってしまう。
だが…後悔はしていない。
どうせ抵抗した所でコイツには敵わない…。
例え麻痺をしていなかったとしても…

もし、生きるという選択肢を廃していなかったとしたら。
コイツの目を潰してでも逃げる選択肢を打っていただろうか。

いや…もう考えるのはよそう。
もう過ぎた事だ。

オレはコイツに…。
ハクリューに…ハブネークと同じように食われるんだ。
アイツと同じように。
オレはコイツの中で………

最後にハクリューは空を見上げた。
綺麗な夜空だった。

そして…
カラダは滑り落ち。
淡いピンク色の肉壁が閉じる。

オレはハクリューのカラダの中に閉じ込められた。
もはや出る事は無いだろう。
光も無ければ感じられる音はどちらの音だろう。
ハクリューか、自分のか。心臓の音と液体と自分のカラダがこすれるような音だけだ。


アイツはハクリューの中で何を思ったのだろう。
オレは………もう。



オレは―――

 

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